第55話 剣武祭本戦


 いよいよ剣武祭当日、会場には、各7校の代表者が集められた。

 7校のトーナメント形式なので、必然的に一回戦を戦わないで済むチームが1つ生まれる。

 俺たちは抽選の結果、1回戦は戦わずして勝利となった。

 続く二回戦、これまたストレート勝ち。なんなく勝利だ。

 そしてはやくも決勝戦、相手はグランダストン帝国学校の代表者たちだ。

 相手も俺たちと同じく、ノンストップで勝ち進んできた猛者らしい。

 これまでの戦いと同じようにはいかなそうだな。

 その予想通り、いや……想像以上の結果が待ち受けていた……。


 なんと決勝1戦目、ティナが相手チームの3年生に負けてしまった。

 そして2戦目のフェリスも、相手の2年生に負けてしまったのだった。


「どういうことなんだ……」


 俺が鍛えたはずのこの二人でさえ、負けてしまうなんて……。

 正直、想定外だった。

 全属性の魔法を使え、しかも剣術にも長けている二人だ。

 それなのに……。

 いったいどういうことか、相手も俺たちと同じく、全属性の魔法を駆使してきたのだった。

 さらに、魔法の基本操作も完璧だ。

 その上で、他の部分も鍛えてある。俺たちのようなつけ焼き刃のチームではなく、かなりの修練のあとがみてとれた。

 だが、相手チームはいったいどうやってそれほどの実力を身に着けたのだろうか。

 こっちは俺という規格外がいるからこそ、ここまでこれたのだ。

 相手の学校の教育がそれほど優れているということなのだろうか。わからない。


「っく……とにかく、これでもう後はない……。ライゼ、大丈夫そうか……?」

「まかせてくださいレルギア様! 私は、絶対に勝ってみせます!」

「頼んだぞ……!」


 ライゼはティナたちよりもさらに強い。そうそう負けることはないとは思うが……。

 剣武祭本戦、思ったよりも強豪ぞろいだ。

 いよいよ、ライゼが壇上に上がる。


「それでは、ライゼ選手VSキルコ選手! 試合開始!」


 試合開始のゴングがなる。

 相手のチームの選手はこちらと同じ1年生のようだ。




◆◆◆




 接戦の末、なんとかライゼが勝利する。

 これで、首の皮一枚つながったな。

 それにしても、相手のチームのこの強さはいったいどこから来るのだろうか……。

 続く4戦目、さすがにカンナは魔王なだけあって、まったく無傷で快勝する。

 そして2勝2敗で、いよいよ大将戦。

 まさか俺が戦うことになるなんてな……。

 だが、こうなったからにはどうやってでも俺が勝つしかない。

 俺の対戦相手は、どんな奴なのだろうか。

 そいつに、相手チームの強さの秘訣があるのか?

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