第二巻 龍の歴史 編
七帝剣武祭 編
第45話 直談判
お知らせ ※第44話を改稿しました
俺は学院の理事長室にいた。
理事長に、直談判をするためだ。
とにかくこの学校のカリキュラムはかったるい。遅すぎる。
このままでは、爺さんになってしまう。
「なあ、どうにか俺たちを卒業させてくれないか? 飛び級でもいい。もうつまらない授業を受けるのはうんざりなんだ」
「うーん、そうは言われてもなぁ……」
理事長は唸り声をあげ、頭をかかえる。
あ、ちなみに、ドマスの叔父であった教頭は首になった。
理事長はまだ若く、話のわかるいい人だ。
30代周辺の、女性理事長。少々堅い雰囲気はあるが、こうして生徒の進言に耳を傾けてくれる。
「よし、では一つ条件を出そう」
「条件?」
「それをクリアすれば、そうだな……飛び級、もしくは成果によっては卒業資格の授与も考えてやろう」
「ほんとうか……! それで、その条件ってのは?」
理事長は、机の下からパンフレットのようなものを出した。
そこにはこう書かれていた。
「七帝剣武祭……? なんだこれは」
「毎年、七校合同で行われる剣武祭のことだ。各国から多数の貴族や王族があつまり、一年間の成果を披露する。優勝した学校には、名誉と商品がおくられる。それだけじゃないぞ、王族貴族から、有能な学校だと認められれば、生徒数も増えるし、寄付だってたくさんあつまる」
「つまり、この剣武祭で勝てと?」
「そういうことだ。我がフラツェメルト貴族学院の名を、大陸に轟かせるよい機会だ」
「なるほど、ま、俺に任せておけば余裕だ」
てなわけで、俺は七帝剣武祭に参加し、優勝することにした。
当日は、各校の代表がトーナメント方式で争う。
その前に、あらかじめ代表選手を学校側で決めることになるらしい。
つまり、少なくともこの学校で1番の実力者と認められなければならないわけだ。
まあ、俺は場合はそんなの心配いらない。楽勝だ。
だが、問題は、七帝剣武祭が5対5のチーム戦だということだ。
俺以外に、チームメンバーを集めなければならない。
それに、いくら俺が勝とうが、残りのメンバーが勝てなければ意味がない。
相手はきっと3年生ばかりだろう。
メンバーを強化し、修行し、なんとか勝てるまでにもっていかなければならないわけだ。
七帝剣武祭まで残された期間もそう長くはない。
まずメンバーは、俺、ライゼ、ティナ、カンナ……それから、あと一人はあとで探そう。
とりあえず、カンナは心配いらないとして、ライゼとティナを勝てるようにしなければな。
俺は当たり前に勝ててしまうのだから、ライゼとティナが勝たなければ、なんの意味もない。
基本、俺は大将をやって、戦わないつもりだ。
あくまでライゼとティナを卒業させるためだからな。
そうと決まれば、二人を修行させないとだ。
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