第41話 狩るときは頭から【ざまぁ!】
「みぃつけた……!」
俺はトカゲに乗って、アルテミス王国の上空を制圧した。
そして、ひときわ高い塔の最上階から、魔力の大きな流れが出ているのを確認した。
おそらくあれは水晶魔法だろう。何者かが、水晶魔法を使って、外の様子をうかがっている証拠だ。
ということは、そこに司令官クラスの人物がいるということになる。
俺はさっそく、地上の制圧は他のトカゲに任せて、そこに向かうことにした。
まずはトカゲのブレスで塔の壁に穴を開け、そこから乗り込む。
「おいオッサン。あんたがボスか?」
塔の中を開けてみると、そこには初老の魔術師がいた。
俺はさっそく自白魔法をかけ、問いただす。
「ひ、ひぃ……!? わ、私はアルテミス王国の大臣ドドンパスです」
「大臣ってことは……けっこう偉いやつか」
「そうです。私が今回の戦争をしかけた首謀者です……!」
「なに……!」
自白魔法をかけられて、ドドンパスはペラペラとしゃべりはじめた。
どうやらこいつが諸悪の根源らしいな。
あ……っていうか、そういえば、あのオブライエンもアルテミス王国の大臣に飼われているとかって言ってたな。
っていうことは、このドドンパスこそが、オブライエンの飼い主か。
あれもこれも、全部こいつの仕業ってわけだな。
「じゃあ、さっそくだけど拘束させてもらうわ」
「ひぃ……!? い、いやじゃああああああああ!!!! 私の野望が、アルテミス王国の栄華があああああああ!!!!」
俺は拘束魔法でドドンパスを縛り上げる。
とりあえず、まだここで殺すことはしない。
まだまだこいつらからきかなきゃいけない話がたくさんあるからな。
国際裁判で戦争をしかけたのは自分たちの非だと証言させなければならない。
あとの処分は、ローゼンベルク王に任せよう。
「さてと……そこのお前!」
「ひぃ……!?」
俺は大臣の横にいた兵士に話しかける。
大臣があっさり捕まったからか、すでに戦意はなさそうだ。
「他の兵士たちにも伝えろ。大臣は拘束したとな。降伏するなら今のうちだぞ」
「は、はいいいいいいい!!!!」
おびえながら、兵士はどこかへと走り去っていった。
よし、これでやる気のない下級兵たちは降参してくれるといいんだが……。
なるべくなら、失われる命は少ないほうがいいからな。
もちろんこの大臣に同情の余地はない。だが、上からの命令で望まぬ形で戦争に参加させられているものもいるだろう。
それから、民間人にも危害を加える気はない。
まあ、相手はそんなのはお構いなしでやってきたから、別に手加減はいらないだろうが……。
だけど、やっぱり戦争に民間人を巻き込むのは間違っている。
その分、こいつら上層部にはとことん痛い目にあってもらおう。
「おい大臣、他にこの件に深くかかわっているやつの名前と居場所を吐け」
「ひぃいい」
大臣に自白魔法をかけ、それらの情報を聞き出す。
まずはアルテミス王国の王や、軍の幹部。
そいつらを全員拘束し、ローゼンベルクへ持って帰る。
これにてアルテミス王国のほうはほぼ壊滅状態になるだろう。
俺が幹部たちをとっつ構えているうちに、残存兵はトカゲたちがなんとかしてくれた。
捕まえた奴らは、トカゲに括り付けて、ローゼンベルクへ送還。フルトン回収だ。
ただ、これで司令部はつぶしたが、まだ進軍中の軍隊が残っているはずだ。
次はそいつらをなんとかしないとな。
それから、アルテミス王国だけじゃなく、イデオット王国のほうも対処しないと。
俺はトカゲにまたがり、進軍中の連合軍の元へ急いだ。
連合軍の位置は、大臣から聞き出したから大丈夫だ。
しばらくイデオット王国方面にトカゲを飛ばすと、山岳地帯を進軍中の軍隊が見えた。
「お、あれか……。かなりの数だな……」
ぱっと見た感じ、5万はくだらない。
さあて、それじゃあさっさと蹴散らすか。
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