(二)-23

「二組の柳瀬川ワカバさんとかはどうなの?」

 これでダメなら、今後地道に探りを入れていくしかない。

 このときだった。コウジ君のさっきまでとは違う反応が現れた瞬間だった。

 彼は改札の前の三段あるちょっとした階段の中段で立ち止まってうつむいてしまった。

 キタキタキタキタキター! ビンゴよビンゴ! 備後長船ってやつ?! キャハー!!!

 心の中の私が飛び跳ねながらお尻フリフリしつつツイストダンスするほど大喜びしていた。

 肉体的な私も口元を緩めずにはいられず、「柳瀬川さんなんだ。そうでしょそうでしょ!」などと彼に迫ってしまった。


(続く)

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