(二)

 制服を着て家を出てきた。制服はオーソドックスなセーラー服だ。紺色主体で、胸には赤いリボン、背中の折り返しには白い線が二本入っている。ここまで標準的なのは、私立では今どき珍しい。スカートは折り返しなどせずに、指定の店で仕立てたままのものを着ている。膝に少しかかるくらいの長さだ。

 そして私は革の学生鞄を持って歩いて行く。大山の商店街、サンロードを直進している。駅から伸びるこの道はアーケードになっていて、商店が建ち並んでいた。通学の時間なので空いている店はまだ少ないが、学生や出勤間際の会社員など相手にモーニングを提供する喫茶店などは開いていた。


(続く)

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