第4話

逃げちゃダメだよ、先生。

なにを今さら……そんなに震えて。痛みなんかないはずだよ? 気持ちいいでしょ?

ダメじゃないか、僕の瞳から目をそらしちゃ。


へぇー、……まだ理性がマヒしきらないんだ? ふふふ。まあ、そうこなくちゃ。

たやすくなびく陳腐なタマシイじゃ、堕としがいがないよね。僕の伴侶になるヒトだもん。


あらら、……何してんの? 

……クロゼットになんか逃げ込んだら、自分で自分を閉じ込めるようなものだよ。それとも、何か武器でも探してるの? うふふ……。


…………っ!? ……なるほど、図星か。

……これはまた、ずいぶん大きな首飾りだね。

ああ、参ったな。しかもそれ、純銀のシロモノだよね?

ちょっと待ってよ、……ああ、ダメだよ。やめて、先生。そんなもの、僕に見せないで。お願いだから、やめてよ! こんなに目の前に近付けられたら、僕……焼け焦げて、灰になって崩れてしまうよ……。

あああっ……うああああああ……っ!

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