化粧
化粧は楽しいんだってこと、教えてくれたのはお母さんだった。だから私は今日も化粧をする。センコーに怒られたってかまうことない。その日いっちばん可愛い私でいたい。なのに、いつもセンコーは私が化粧を落とすまで許してくれないのだ。校則、ってのは分かってる。でもさ、校則は生徒を幸せにするためにあるんでしょ? だったら、私は化粧したほうが幸せなんだけど。全く、やってらんない。
同じクラスのアオイだけが、私の気持ちを分かってくれる。彼女は化粧はしないけど、授業中ずーっとテツガクかなんかの本を読んでて、センコーに目の敵にされてる。だから似た者同士、仲良くなったのかもしんない。
「今日マツゲ決まんないんだけどぉ」
「あら、そこで諦めないのがあんたでしょ」
「はっ! そうだよ、さすがアオイ!」
私は化粧ポーチを取り出して、ビューラーでマツゲを猛然と上げた。決まれ、決まれぇぇ!!
「ほら!!! どうよ!!!!」
アオイに目を見せる。
「完璧。今日もあんたは最強だよ。安心して」
私はガッツポーズを上げた。誰も私を妨げることなんてできないのだ。マツゲもテンションも上げてこーぜ!!!
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