第7節 部内恋愛禁止 樹と奏
「おい、ミキ! なんだよ今日のプレーは!」
練習が終わった
たしかに、今日の
「ごめん、昨日遅くまで勉強してて、寝不足でさ。ホントにごめん」
「なぁ、ミキ。僕の
長谷川
最近、翔は
「もしかしてそのせいで……」
「いや、彼女は関係ないよ。明日の練習はちゃんとやるから。
「意外と、
「翔くん、気付いてたんだー?」
「意外と、は余計だよ」
翔は振り返りながらため息をつく。
「今さら、恋愛禁止ってわけにもいかないしなぁ」
というのも実は、3年のマネージャー、
だが、もうすぐ大切な大会を控えている中、恋愛で部内がゴタゴタするのは、
「なんだってこんな時に……!」
「恋愛ってさー、したことある??」
柑那に聞かれて翔は言葉に詰まる。
「えっ、と、ない……こともないけど、あの……」
しどろもどろになった翔の戸惑いを知ってか知らずか、柑那はうーんと声を
「付き合う付き合わないは別としてさ。人を好きになると、なんかエネルギー
「エネルギー?」
「そう。相手にいいとこ見せたいとか、喜んでるところ見たいとか、そんな感情。
好きな人がいるだけで、毎日楽しくて、ワクワクして、なんでもできちゃうような気持ちになれる。
そんなこと、ない?」
「まぁ、それはなんとなくわかるよ」
「恋愛パワーって正しく使えるとすごい力になるんだよねー。
だけど今の花村くんたちは、違うのかもね」
柑那は視線を斜め上に上げて、まるで自分の心の中に
「別れろって言うべきかなぁ。そしたら長谷川、マネージャー
「奏ちゃん、ちゃんと話せばわかってもらえる子だと思うけれど。もし、奏ちゃんが花村くんのこと大事に思うなら、花村くんがうまくいくように応援するんじゃない? 今のままだとレギュラー、外されちゃうかもしれないよ。
たしかにそうだ。寝不足で集中力を欠いた今の
そんな
「頭ごなしに言ったら、ダメだよ?」
柑那は心配そうな表情になる。
「ロミオとジュリエットみたいにさ。反対されればされるほど、恋って
「じゃあさ、
翔が頼むと、柑那は首を
「そうだ。
なるほど……
翔は
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