シンデレラボーイ
掛川ゆうき
第1話
「ふぁー……」
とコンビニのレジで欠伸するのは北村薙(きたむら なぎ)だ。
今、薙はコンビニでバイトしていて今は夜中の三時。
夜の十時から仕事を始めて終わるのは朝の六時だ。 夜中のこの時間は一番眠い時間でもある。
この時間は店内に人が居るか居ないか位で暇な時間帯。 だからなのか本当に眠くなってくる。
薙が暇そうに欠伸をしているとコンビニの入口でベルが鳴り誰か人が来たようだ。 コンビニ内にチャイムが鳴り響いたのだから。
「いらっしゃいませー」
そう一応業務的に言うのだが、今迄、半分眠そうになっていた薙は目を見開く。
そこには最近毎日のように来る客で薙のお気に入りのお客様だったからだ。
いつも高そうなスーツを着込んで、だいたいこの時間に来るのだから、きっと近くで働いているホストだろう。
いつも朝ご飯だかお腹が空いているからなのか何かしらこのコンビニで買い物をしていく。
その客が品物を選んだようでレジに来た。
その客は薙より背が高く、やっぱりホストか何かをやっているのだから見た目もカッコいい。
「いらっしゃいませ」
薙はいつものように商品をレジ打ちしていると今日は珍しくその客が声を掛けてきた。
「いつもこの時間にここで働いてるの?」
いつもただの客としか思ってなかったのだが、その客に声を掛けられて薙は顔を上げる。
「え? あ、まぁ……そうですけど……」
とは答えるものの、あまりにもカッコ良すぎて見ていられなかった薙はいつものように商品を袋へと入れていくのだ。
その客は「ふーん」とだけ答えて直ぐに出て行ってしまった。
やはり何度見てもそのホストらしき客はカッコいい。
薙の方はといえば男性なのにカッコいいという部類ではなく、どちらかといえば可愛い系からこうカッコいい人に憧れるから毎日のようにそのホスト客に見惚れてしまうのかもしれない。
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