第18話 何かあったら俺が傍に…

「拓海」

「…あい…」

「今度…会えないかな?この日、ここに来て」



俺のバイト先に、先輩の前に、朋花以外の女性が現れた。


見た所によると、知人というよりも友人関係とも思われる。


だけど…元恋人同士と言っても良いような気もする。



「えっ?あ、おいっ!」




先輩は呼び止めるも彼女は伝言だけ伝えると、すぐに先輩の前から去った。




「今のって…?」

「えっ?あー…元カノ…」

「…元カノ…会うんですか?」

「えっ?あ、いや、そのつもりはないけど」


「でも会ってみようかな?みたいな…?アイツ…朋花、否定してましたよ。会う理由が分からないって」


「えっ?」


「最近、偶々その話をしたばかりで」


「…そうか…」


「もし会うとかなら、きちんと話すべきだと思います。もし、一緒にいる所見掛けたとかなるとアイツ…ショック受けると思いますよ」





それから数ヶ月過ぎ、9月、事件は起きた。




「…あれ…?拓海…?」



拓海の隣には元彼女(カノ)の姿。




その日の夜、1人リビングにいると――――




《元カノと…どうして一緒にいたんだろう?》

《偶々?…でも…》




二人の光景が目に焼き付いて仕方がない。


大丈夫!


そう思うも何処か自信なくて色々と考えてしまう。





「…か…もか…朋花!」

「うわっ!な、何?」

「大丈夫か?どうかした?」


「えっ…?あ、ごめん。ちょっと考え事してただけだし全然、大…丈…夫…」




ボンと頭をされた。


ドキッ




「時間合わなくても、24時間一緒にいるようなもんだし見てれば分かんだよ。で?どうしたんだ?相談のるけど?」


「ありがとう!でも全然大丈夫!」





そう言うと私は部屋に行くのだった。





「…アイツ…大丈夫じゃねーだろ?何か悩んでる感じだし…」





私は自分の胸の中に留めていた。





ある日の事―――――




「瀏司、最近の朋花どう?」



先輩が、俺に聞いてきた。



「えっ?どう?って…聞かれても…つーか、二人何かあったんですか?」


「いや…別に何も変わらないけど…」




「……………………」



「変わらないなら、俺に聞く必要ないかと…」

「そうだよな。悪い!気にすんな!」

「はあ…」






その日の夜―――――――




「なあ、朋花」

「何?」

「お前、先輩と何かあった?」

「えっ…?…ないよ」




「………………」



「どうして?」


「いや…ちょっと気になって…つーか…先輩からも、お前の事、聞かれたんだけど…」




「……………………」




「朋花?」

「…ごめん…瀏司に迷惑…」


「迷惑とか思ってねーし。つーか隠さないで話して欲しいのが本音なんだけど。お前、過去が過去だし…先輩ならバイト先一緒だし気になる事かあるなら俺が聞くから!一人で悩むなよ…それでも話したくないなら、無理に聞かねーけど」



「………………」



「面と向かって言いにくいなら携帯使って話してくれても良いし」




私は重い口を開いた。




「確認出来ないまま、今を至ってるってわけだ」




私は、コクリと頷く。



「俺、先輩に元カノの事で俺達が話した事、伝えてはいたけど、心配ないと思うけど。俺聞いてみようか?」


「い、良い!辞めて!大丈夫だから!」




「………………」



「…ごめんね…瀏司」

「なんでお前が謝んの?…朋花…」




両頬に触れる瀏司。



ドキッ



「先輩を信じろ!何かあったら俺が傍にいてやるから!一人で悩むな!俺に話せ!」



パッと両頬から手が離れる。




「同居してんだから、お前が、元気ねーと心配なんだけど?お前は笑ってろ!」


「…瀏司…」


「なっ!」


「うん…ありがとう。瀏司」





同居人でクラスメイト


ただ


それだけなのに


コイツは私に元気をくれる


恋人でもないのに


友達思いのいいヤツだ









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