陰キャだったせいで、義妹が陰口を叩かれていたので、努力してカッコよくなったらモテてしまった~事故で義妹とキスしてからクラスの美少女たちの様子がおかしい~
プロローグ 主人公のレベルアップは知らない所でフラグが立っていた②
プロローグ 主人公のレベルアップは知らない所でフラグが立っていた②
一月中旬
おしゃれ……清潔感ある身だしなみができる
学力……(2/280)
料理の腕前……簡単なものなら(得意料理はオムライス)
「うむ、今日もオムライスは上手くいったな」
自宅のリビングで、自分の作ったオムライスを食べていた。
半熟ふわふわの卵に、チキンの旨味がついたケチャップライス。五十嵐さんに料理を教えてもらってから、順調に料理の腕前も上達していた。
にしても、まさか少量の水と油を混ぜるだけで、半熟ふわふわの卵になるとは……流石、料理様だ。今度、美咲にもお礼を言っておかないとな。ちなみに、五十嵐の名前が美咲だ。こちらも、色々とあって下の名前で呼ぶことになったのだ。特に、遥香との仲を知られてからは、下の名前で呼ばないと料理を教えないといわれているあたり、かなり理不尽だ
もっと、お淑やかというか穏やか子を想像してたんだけどなぁ……グスン。
そして、こちらも同様に、妹が入学した際には紹介してくれと言われている。そんなにうちの妹様がみんな気になるのだろうか?
勿論、順調と言えば、順調なのだが、上手く行ってないことも一つだけあった。
視線がオムライスから、テスト用紙に向けられる。
「ぐぬぬぬぬぬぬぬっ!」
見た瞬間、地団駄を踏んでしまった。
「キッー! あの遥香の勝ち誇ったような笑みが憎たらしいぃいい!」
結果だけで言うと、俺が二位で、遥香が一位っだった。
俺の成績の伸び具合に、友人は勿論、先生達だって驚いてた。だけどだ。俺が目指しているのは学年一位だ。そうじゃないと、妹にとって自慢できるような兄になれない。
「はぁ……勉強するしかないか……」
食器を洗うと、俺はまた勉強机に向かうのだった。
※
三月上旬
おしゃれ……清潔感ある身だしなみができる
学力……(1/280)
料理の腕前……何でも作れる料理上手
「おっしゃっ……!」
俺の手元にあるのは成績表だ。放課後、先生が配り始めたのだ。確認した瞬間、人前だって言うのも忘れて、思わずガッツポーズしてしまった。
半年ほどかかったが、ようやく学年一位になれた。
料理だって、大体の物は作れるようにもなった。
これでもう、妹と一緒にいても、陰キャなお兄さんとかは言われないはずだ……いや、脱陰キャはできてないような気が。ま、まぁ……俺は学年一位だし大丈夫だろう。
そのまま、俺は一目散に家に返った。
「雫―っ!」
リビングで、お茶を飲んでいる雫に声をかけた。
「うるさいんだけど……何か用?」
顔をしかめつつ、仕方ないといった具合に雫が返事してくれる。
普段からこんな感じで、そんなに仲良くはないのだ。
「見ろ、これっ!」
仲が良くないこととか忘れて、俺は成績表を雫に見せた、
「っ!」
俺の成績表を見た瞬間、雫は後ろを向き始めた……なんでぇ? 俺の成績なんて興味ないとかじゃないよな……。
それからちょっとすると、雫は再び、振り返った。
「あっそ。嬉しいのは分かったからもういい?」
「お、おう……」
そのまま雫はリビングから出て行こうとする。そして、リビングのドアに手をかけると、
「……今日、友達からケーキの割引券もらったの。買いすぎちゃったし、特別におにいも一個、食べていいから」
俺がお礼を言う前に、二階の自室に行ってしまった。
バタバタバタバタ!
二階から突如、大きな音が聞えて来た。雫の音だって言うのは分かるけど、どうしたんだ?
「まぁ、ありがたくいただくか……」
確認すると、俺の好きなチーズケーキだった。何か、一人でお祝い用のケーキを食べている気分だ。これが本当の自作自演……なんつって。
それにしても、俺のテスト結果が分かる日に、そんなタイミングよくケーキも余るのか? 雫は甘いの大好きで、俺の分も勝手に食べるくらいなのだ。
「まぁ、雫が俺のために用意してくれったてことはないよなぁ……」
何か言ってて、悲しくなってきたな。
とにかくだ。
これで雫ともようやく……って、あれ? 自分の学力とか料理の腕前をあげる事ばっかり考えてたせいで、妹と仲良くなることを考えていなかった……どうしたらいんだ?
まぁ、これから同じ高校に通うことになるんだし、仲良くなる機会はいくらでもあるか。 去年のようにバカにされることもないから、雫の負担にもならないだろうし。
だけど、この時の俺は知らなかったのだ。
妹の内に隠した本音も、始業式に起こる妹との事故のことも。
そして、春休みが明けて、雫が俺の通う高校に入学してくる──
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これにて、プロローグが終了になります!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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