生死を揺らう深海のおはなし

記憶の縁、この子を慮れなかった誰かの責任。

＿あのねあのね、ここだけのおはなし。

このうみにはね、いっぱいのいのちがあって、いっぱいのなぞなぞがあるらしい。

むかしきただれかがいってた。

そのだれかはなまえをいってたきがした。けどわすれた。

よっつのしょくしゅ、ふたつはまげてからだささえて、もうふたつをゆらゆらして、おかおいっぱいうごいてた。

そのだれか、おもしろくて。

みたことなくて。

おかおがころころかわって。

がいはなさそうで。

おっきいのにちっちゃくみえて。

とってもきょうみぶかくって。

ぼくのものにしたくて。

それでねそれでね、ぼくのおうちにつれてった。

しっかりよっつのしょくしゅをつかまえて、そのままひきこんだ。

またおかおがかわって、ほんとうにおもしろかったんだよ。

そしたらねそしたらね、ざぶーんっていってしずんじゃったの。

ゆらゆらおちてってるのに、いっぱいしょくしゅゆらゆらさせて、あわあわいっぱいだして、きらきらしてて、なんかそれがすっごくこっけいだったの。

うみにかなうわけないのにね。

そのままみえなくなっちゃった。うみにたべられちゃった。

ぼくのおともだち？はみごろしだぁ、さつじんきぃ、ってちかづいてもにげられるようになっちゃった。

なんでだろう？ぼくはただあそびたかったのに。

まぁそんなものだよね。おともだち？って。

というかあいつらがぼくをおともだちってきめつけてるだけ。ぼくはひとりでよかったんだ。おともだちでしょおともだちでしょ、とってもうるさかった。

だからぼくはあそんだよ。おともだち？と。

とってもしつこかった。ゆらゆらゆらゆらめざわりだった。

でもぎゅうってしてあげたらねむってくれたよ。うれしかった。

かなしくはなかったかな？だってぼくしってるもん。

あーいうの、いっぱいくるもん。かわりなんていくらでもいるし。

きみらだってそうでしょ？おもちゃがこわれたらあたらしいのであそぶの。

おんなじだよ。にたものどうしってやつ。

それでねそれでね、そのあと、ふかくふかくもぐったんだ。あのだれかとかおともだちのことおもいだして、いまどうなってるんだろう？って。

そしたらね？みーんなしろいほねになっちゃってた。

だれかだれかわかんなくなっちゃってたけど、おもしろいのがあったんだ。

しろくなっちゃったみんなのほねにね、きらきらしたのがあったんだよ。

なんかね、ほんとうになないろにひかってて。

ぼくまだもってるよ。なないろのやつ。

…ねぇ。まだおはなしおわってない。

まだ、しずまないでよ。

おはなしもっときいてよ。

…また、ひとりになっちゃったかぁ。

これからどうしよう？