分かたれたくないくせに
鯛谷木
本文
僕のことが大好きで、僕の周りをいつもうろちょろしていた幼なじみのあいつが死んだ。
家も席も隣なんてすごい運命、これからもずっと隣がいいとか言っていたくせに。目の前で、「人生最後まで、君に見ていてほしいんだ。」と言って飛び降りた。なんで今更放り出すんだ。僕だって一緒がいい。どうせなら連れてってくれよ。お前のためなら、喜んでどこでも行ってただろ。ホラー映画も1人で見られないくせに、なんでこんな時だけ思い切りがいいんだ。これじゃ、僕はもう、きみと一緒にはいられないじゃないか。
……いや。それなら僕だってやってやるよ。ずっと同じを望んだのはそっちだからな、文句言うなよ。
そうして僕は隠し持っていた、小さな白い塊を飲み込んだ。
分かたれたくないくせに 鯛谷木 @tain0tanin0ki
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