夜風にあたる


 一つ酒を汲んで。

 火照った身体に。

 冷たい夜風。

 心地よくて。

 思わず目をつむった。

 すると広がる。

 酩酊の夢。

 青い春。

 赤い夏。

 黄色い秋に。

 白い冬。

 春夏秋冬巡って。

 あゝ幸せだなぁ。

 と思っては。

 電柱に頭を打ち付ける。

 あ、痛い。

 と思って目を覚ませば。

 そこに広がるのはコンクリートの街並み。

 そうか、そうだったなぁと。

 故郷に想いを馳せて。

 またふらつく足取りで歩を進めた。

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