夢想家と回遊魚
やぁやぁ親友。
元気かい?
おいおい、そんなに邪険にするなよ。
俺と君の仲だろう?
え?
これは詩なんだから邪魔するなって?
おいおい、「おいおい」が口癖になっちまうぜ。
この詩のタイトルを知ってるかい?
夢想家と回遊魚、だ。
夢想家は君の事で。
回遊魚は俺の事だ。
これは対になってるんだよ。
え?
なんでそんな事を知ってるのかって?
これがメタ・フィクションだからさ。
第四の壁なんて薄い氷を割るように飛び越える詩なのさ。
だからこそ俺は君に語り掛けるんだ。
どうした夢想家。
お前の「夢」はそんなものなのか? ってね
さあ、吐き出せよ、お前の夢を。
思い切りぶちまけろ。
吐瀉しろ、吐露しろ、吐血しろ。
おっと。
これ以上は言わないぜ?
俺は君の親友だからな。
レーティングには厳しいんだ。
ちょっといつもより長くなっちまったな。
じゃあ夢想家、お前のターンだ。
詩を聞かせてくれよ。
🐡
僕は頭の中に回遊魚を飼っている。
そいつは飄々と僕に語り掛ける。
親友を名乗り語り掛ける。
だけどそいつは僕が回遊魚の事を親友と呼ぶと否定するんだ。
お前なんかと親友になった覚えはないってね。
ふざけたやつだと思うが。
それが僕自身の一部だと思うとひどく納得する。
矛盾というより齟齬なのだ。
認識の誤り。
現実と夢想の乖離。
これはそういう物語。
胸を苦しめるほどの現実が迫ろうと。
夢というシェルターに逃げ込む僕を。
しかしてその中にいる回遊魚はまた否定する。
逃避するなと僕を囃し立てる。
間違い、誤謬、不正解。
そう、夢想と逃避を同位置の置く事は間違いだと諭しているのだ。
僕はいつか回遊魚を受け入れなければならない。
いつもより長くなってしまった。
最後はこう締めくくろう。
dream come true.
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