鈍らの聖剣


 鈍く光る錆びた剣。

 王座は空に。

 今は戦乱。

 救世主を求めていた。

 ただ平穏を望んでいた。

 それだけなのに。

 どうして神様。

 この手に握る剣はもう光らない。

 血飛沫舞う草原に。

 青と赤が混ざっていく。

 人と人が相克する。

 全ては己が理のためにと。

 さあ今こそ振るえ。

 錆びた聖剣。

 きっと輝くと信じて。

 勇者が奮い立つ。

 王よ、我こそが救世主だと今叫ぼう。

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