13話 二人の失敗の後始末

二人の様子を見るが、やはり威圧に圧され腰を抜かしていた。


そして地面には水溜りもある。


「すまない……。少しやり過ぎたみたいだ……」


俺は謝る。


「いえ……。大丈夫です」


エルザは立ち上がる。


「怖かったよぉ〜」


サラも立ち上がったようだ。


「ごめんな……」


俺はもう一度謝る。


「気にしないでください」


微笑むエルザ。


「そうか。じゃあせめて着替えだけでも手伝わないとな」

「お願いします」


俺は二人に手を貸そうとする。


すると、サラがいきなり抱きついてきた。


「サラ?」


俺は戸惑う。


「ありがとう……。助けてくれて」


涙声で感謝の言葉を述べるサラ。


「当然のことをしたまでだよ」


俺は優しく抱きしめ返す。サラはしばらく泣いていたが、落ち着いたのか離れた。


「本当にありがとう」


サラの顔には笑顔が戻っていた。


「よし。行こうか」


俺たちは再び歩き出した。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る