9話 迷いの森での修行

そして次の日—— 今日は街を出て北にある『迷いの森』という場所に行く予定だ。


ここはその名の通り、道に迷ってしまう森だ。しかし奥には強力な魔物がいるため、普通の人は入らない。


だから経験値稼ぎに持ってこいだと言える。


「ここが迷いの森か……」


俺は辺りを見回す。


「なんか不気味なところだよね……」


サラは少し怯えているようだ。


「確かにそうね。気を引き締めていきましょう」


エルザは冷静に言う。


「よし。それじゃあ行くか」


俺たちは森の中に入って行った。


しばらく歩くと、早速ゴブリンに遭遇した。


「グギャア!」


ゴブリンが襲いかかってくる。


俺はそれを軽くあしらう。


そして剣で斬りつける。


「グルルッ……」倒れ込むゴブリン。


「これで終わりだな」


そして止めを刺した。


すると—— <レベルが上がりました>頭の中に声が響く。


どうやら倒したことで経験が入ったようだ。


「レベルアップか……」


俺は呟く。


「どうしたの?」


サラが不思議そうな顔で見ている。


「いや、なんでもない。それより、この調子ならすぐに強くなれそうだな」


「うん。頑張るね!」


サラはやる気満々のようだ。


「ふぅ……」


エルザが息を吐く音が聞こえる。疲れているのか?


「大丈夫か?」


俺は尋ねる。


「ちょっと緊張しててね……」


苦笑いを浮かべるエルザ。


「無理もないな……。よし、休憩するか」


「うん……」


俺たちは木陰で休むことにした。


「それにしても、本当に魔物が多いな……」


「そうだね……。こんなにたくさんいるとは思わなかったよ……」


「ええ。油断していると危ないかもしれないわね」


「ああ。しっかり警戒しよう。特にエルザは魔法を使うからな」


「ええ。分かってるわ」


「うん。エルザちゃん頑張ってね!」


「ありがとう、サラ」


微笑むエルザ。


「そろそろ行かないか?」


俺は提案する。


「そうですね。行きましょう」


「よし。行こう!」


俺たちは再び歩き出した。




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