7話 ボスゴブリンとの死闘 その2

「な、なにこれ!?」


サラが叫ぶ。


他のみんなも驚いているようだ。


無理もない。いきなり光ったら誰だって驚くはずだ。


「これは……聖剣なのかしら……?」


エルザが言う。


「聖剣? 違うな。これは『魔剣』だ」


「魔剣……?」


不思議そうな顔をするエルザ。


「ああ。魔王の魂が封じられたと言われている剣だな」


「ま、魔王の……!?」


「それってヤバくないですか……!?」


「大丈夫だ。ちゃんと封印されているからな」


「そっか……良かった……」


「でもこれどうやって使うのかな?」


「多分だが……こうすればいいんじゃないか?」


俺は剣を構える。


そして剣の魔力で増幅させた威圧を放つ。


LV.100の威圧に剣で増幅させてLV.300程度の威圧だ。


威力は俺を中心に半径30メートル程度の相手を怯ませることが出来る。


「はあっ!」


掛け声と共に剣を振り下ろす。


するとボスゴブリンに向かって巨大な光の斬撃が飛んでいく。


それは瞬く間にボスゴブリンを呑み込んだ。


「うわっ!?」


サラが驚きの声を上げる。


「きゃあああ!?」


エルザも悲鳴を上げている。


「これは凄いな……」


俺は感嘆の言葉を口にする。


「す、すごい……」


「これが勇者の力なんだね……」



俺はゆっくり振り返るが、二人とも腰を抜かしていた。


威圧の間合いに入っていたのだ。


当然巻き込まれている。


「あはは……ごめんなさい……」


「いや……仕方ないさ……ん?」



良く見ると二人のお尻から水たまりが出来ていた。どうやら漏らしてしまったらしい。


「あら……?」


エルザは恥ずかしそうに俯いている。


「わ、私もです……」


サラは泣きそうになっている。


「気にすることはないさ……。誰だってあることだ……」


「うん……」


「はい……」


「とりあえず……帰ろうか」


「そうね……」


「はい……」


こうして俺たちの初陣は終了したのであった。




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