第13話 依頼の真実


 客室で全員が座ると、コロドさんが話し始めた。


「セナからどこまで聞いていますか?」

「お友達が昏睡状態と言う所までです」

「そうですね。セナが言った通り、昏睡状態になっておるものが居ます」

「その方はどちらにいるのでしょうか?」


 俺がそう尋ねると、コロドさんが扉をちらっと見た。


「昏睡状態になっているお方は、数日前までダイラルさんがいた場所にいます」

「え?」


 俺は、隣に座っているセナの方を見た。


(それならなんでここに来たんだ?)


 そう思っていると、コロドさんが言った。


「セナが打ち明けたということから、真実をお伝えいたしますね。昏睡状態になっているお方は、この国の公爵家、第一令嬢---アイラ様です」

「......」


 その言葉を聞いて、俺は何も言うことが出来なかった。


(公爵令嬢が昏睡状態って......)


「セナとアイラ様は幼少期の頃から仲が良かったのですが、ある頃、アイラ様が目を覚まさないと言う連絡が来ました。それが、一年前です」

「え......」


(一年前ってもしかして......)


 俺がそう考えていると、コロドさんが言った。


「ダイラルさんが考えている通りだと思います。私とセナがあなた方に助けてもらった時です」


 俺は言葉が出てこなかった。すると、セナが謝ってきた。


「あの時は、まだキチンと話す決意が無くて、商談とか言っちゃってごめん」

「いいよ」


 こんな重大なことを勘づかれるわけにはいかないに決まっている。


「そこから色々なことを公爵家と一緒に試してみましたが、何一つ結果を得ることが出来ませんでした。これがここまでの経緯です」

「あ、ありがとうございます」


 それにしても、ここまで重大なことだったとは......。


「それでこの話を聞いても、まだダイラルさんがお力を貸していただけるのでしたら、一緒に公爵家に来ていただくことは可能でしょうか?」

「はい」


 俺は二つ返事で答えた。こんなことを聞いて断ることなんてできるわけがない。


「では、本日あちらに連絡するので、明日向かいましょう」


 そう言って、コロドさんはこの場を去って行った。それに続くように、カエリさんもコロドさんについて行くようにこの場から去った。


 俺は隣に座っているセナに尋ねる。


「やっぱり、家絡みだったから直で行くことはできなかったということ?」

「うん」

「そっか」

「アイちゃん。目を覚ますかな」


 そう言ったセナは、弱弱しく感じた。


「分からない。だけど、俺ができる範囲で力を貸すよ」


 今、アイラ様がどんな状況で昏睡状況になっているか分からない。でも、俺ができることなら力になりたい。


「ありがと」

「あぁ」


 その後、俺はセナの実家で夕食を食べて一日を終えた。


 翌朝。コロドさんとセナ、俺の三人で馬車に乗ってライベルトの主要都市に向かった。


 道中、昨日聞いた事を深堀した。そこで、一つわかった。


(アイラ様は病気なんかじゃない)


 そう。アイラ様が昏睡状態になる直前まで、セナと一緒に遊んでいた。その時、セナから見てアイラ様が病気にかかっているようには見えなかったと言っていた。


 それに加えて、公爵家ということから、病気なら遊ぶという選択肢が現れるわけがない。


 それなら、何かしら外部からの干渉が合って昏睡状態になっていると思った。


(でも、それは何だ?)


 後少しで問題視されていることが分かりそうだが、それが出てこない。


(クソ)


 俺は、そう思いながらも公爵家についたら何ができるのかを考えた。そこから三日が立ち、公爵家にたどり着いた。


 コロドさんとセナの紹介によって、俺も公爵家の中に通された。そして、ついにアイラ様と対面をした。


(何だこれは......)


 アイラ様の周辺には、黒い魔素がうじゃうじゃと飛び交っていた。




・続きが気になる‼️

・更新頑張れ


など思っていただけましたら、ブックマークやレビュー【☆☆☆→★★★】で応援していただけると幸いです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る