第5話 詐欺メッセージにはご注意を
角を曲がったら異世界。なにかの衝撃で異世界など起こりえない。死ぬまでこの現実で生きるのだ。いや、死んだらもしかして……って、ないない。ああいうのは物語の中だけだ。死んだら死んだだろう。無になるだけだろう。
だからここ最近。社会人になってからはそんなことを考えることもなくなっていた。
「大人って面白くないよ」
気が付くとそんなことをつぶやきつつ。ってか、現実の事を話すと、俺マジで今の仕事に対してとんずらを考え……
♪♪
「……うん?」
いろいろ俺が考えているとスマホが鳴った。
またどうせ大したものではないだろう。こんな時間に上司からご連絡はまずない。今の俺に気軽に連絡してくる友人もいない。だから……迷惑メッセージか。宣伝かなどと考えながらスマホの画面を見たら、当たりだった。予想は当たる。ってか。それくらいしか思い当たることがなかったからな。
『★重要なお知らせ★すぐ確認を!
見えている部分からしても、いや、ほぼ100%どう見ても詐欺メッセージだろう。最近どこから俺の情報が漏れているんだろうね。前はメールアドレスだけだったが。最近は何だっけ?ショートメッセージ?だったか。携帯番号でも送られてくるからな。携帯の番号なんて最近ほとんど教えることないし。まあ行政の書類には――って行政から漏れてるのか?まあどこからでも漏れているだろうが。登録している何かから漏れているかもだし。
とにかく。今送られてきたのは、よくよくある詐欺メッセージだ。こんなのよく見るよである。この後の行動と言えば、はいはい、わざわざどうも。さようならである。メッセージ削除して終わり。
というのがいつもの流れだったが。今回の詐欺メッセージはちょっと気になることがあった。
チラッと見えていた四ヶ市。これは俺が今住んでいる町だ。市の名前の由来は、4つの町がくっついたとか。そんなんじゃないのか?知らんが。
とりあえず、先ほど大型ビジョンに映っていたやり手女性市長のいる町。そこそこの大きさ。そこそこの人口。あと、今の職場から近すぎず遠すぎずで選んだ町なのだが……ついには詐欺メッセージ。該当者の住んでいるところも特定してきたか。
そして自分の町の名あったので、ちょっと気になった。だから俺はクリックしてみた。良い子は知らないメッセージなど気安くクリックするなよ。ここからは自己責任だからな。クリックしたらなんか請求が――とか。知らないうちにアプリが――とか。スマホがバグったー。とかあるかもしれないからな。
にしても今までの詐欺メッセージは、ご当選おめでとう!とか。支払い期限が――契約金払え――宝くじ当たったから手数料――まあそんなものばかりだったと思うが。自分が住んでいる地名を入れてきたからな。気になってしまった。いや、今の詐欺はどんどん巧妙になるね。一歩先をいっているよ。
そんなことを思いつつ俺はメッセージをクリックするとメッセージの全文が見れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます