第11話 共に戦う戦士
「神に選ばれし者。お前の様な奴は真っ先に喰らってやる! 覚悟しろ!」
敵が神の力を持つ者だと頭の中で理解したドック・ダークエンジェルはロングソードを突き刺そうとする。
それに対して西前は脳内に流し込まれた戦い方をふまえすんなりとバックステップで躱し、すぐ様回転蹴りで刃をへし折った。
「そんなバカな!? 我の高貴なる剣が一途も簡単に!?」
「これが、神の力なのか?」
今でも信じられない様子、しかし敵は堕天使、油断は禁物。
腕輪から黒き槍〈スピアーグリフォン〉を召喚し連続突きを繰り出すが、鎌ですべて弾かれる。
攻撃の隙を見逃されず強烈な蹴りを左横腹に食らうも、痛みを
風穴から溢れ出す赤い血、加護による浄化の力で
「お前に悪いことを教えてやる。この場の人間はお前以外全員喰らった。まあまだ物足りないがな!」
ドック・ダークエンジェルの突然の発言にゴアドは恐怖を甦らせるつもりだと感じる。
確かに仕事仲間や上司、後輩を殺されたことは絶望に値する。
だが、それは逆に怒りの炎を燃え上がらせてしまった。
「俺が怯えると思ったか。この野良犬が!」
口部分をクラッシャーオープンし、竜の翼を生やしながら
だが薄ら笑いをするドック・ダークエンジェル。
「バカめ! 我ら堕天使は空が飛べるのだ!」
黒き翼を羽ばたかせようとしていると、いつの間にか目の前に現れた。
「なんだと?」
「そのマヌケ面に言ってやる………」
必殺の一撃、ドラゴニックブレイクの体勢をゼロ距離で入り、トドメに入る。
「空を飛べるのはお前達だけじゃない。ここにもいるんだよ!」
繰り出されるドロップキックが腹に命中、地面に叩きつける。
口から血吹雪上げながら爆砕するドック・ダークエンジェル、その姿を見て息を切らしながらゆっくりと地面に降り立った。
彼に近づく彼女は真面目な表情を変えず言葉を述べ始める。
「西前シンさん。あなたに神の力を託して正解でした。これからも堕天使との戦いは続くでしょう。ですがこれで安心して天界に戻ることができます」
「ふん。お前は最初から最後までイヤなやつだよ」
鼻を鳴らしながらその場を立ち去ると、変身を解除し、駐車場に向かうのだった。
現代に戻り
「堕天使が付けているベルト、見たことがある。あれは元々怪人の技術だ。なぜあいつらがそれを」
「あり得ることです。堕天使の技術がどれほどものかは知りませんが、その証拠に幕昰さんが言うベルトを量産している。これは一大事ですよ」
冷や汗をかく光炎は技術者として堕天使の技術に興味はあるが、行き過ぎた化学は破滅に繋がることを知っている。
だからこそそれ以上の欲を口にはしなかった。
『如鬼、鈴静さん。堕天使が付けているベルトは怪人の物の強化版の可能性が高いわ。十分に注意して』
「「分かりました」」
連絡を受けた2人はザーガとゴアドと
「六問さん、私は
「君はまだ間に合うよ。俺は戦う戦士。永遠に戦い続けるしかない。でも1人じゃない。如鬼さんみたいな仲間がいるからここにいられるんだ」
だから自分を責めないでとそう続きを言おうとした時、跳びかかってきた銀色のローカスト・ダークエンジェルに思いっきりベルトを殴った。
「しまっ………ガハァァァァァァァァ!?」
全身のヒビから血液が溢れ出しながら大きく吹き飛ばされる堕天使、装備を破壊され動揺を隠せない。
「ゼッツ様から授かった防具が!?」
「さあ、これでお前もおしまいだ!」
ザーガは両手で巨大な火炎弾を生成、狙いを定め発射する。
激突しそうになった瞬間、イナゴの軍勢に姿を変え回避すると古代の戦士に向かって襲いかかる。
「おしまいなのはお前達だ! このまま食い尽くしてやる!」
「悪いけど。俺の勝ちは確定した」
「こけおどしを!」
歯を小刻みに鳴らしながら突っ込んで来るイナゴ達。
そんな中火炎弾が爆裂、大爆発に巻き込まれ全滅した。
「シルバー!? よくも俺の相棒を!」
相棒を殺され怒り心頭の金色の堕天使。
「許さん。許さんぞぉぉぉぉぉ!」
イナゴの軍勢へと姿を変え、乗っていたバイクの
そしてそのまま乗り込み、全力でアクセルを回す。
轢き殺しにかかるローカスト・ダークエンジェルに対してゴアドは竜の翼を生やし夜空へ飛び立つ。
「ホォォォォォォォォォォォォォ!!」
ドラゴニックブレイクの体勢に入る、堕天使はそれを待っていた。
ベルトがまだ壊れていない、竜神の戦士の必殺技をわざと食らい破壊エネルギーに変化する。
そこからが勝負、そう思っていた。
なんと鈴静がベルトを〈アーチャー・マーク2〉で正確に射撃されたのだ。
「うん? いつの間に!?」
破壊されたことに気づいた頃にはドラゴニックブレイクの餌食になりバイクごと爆散した。
地面に降り立つゴアドに六問は手を振りながら近づいて来る。
「やりましたね。ゴアドさん、如鬼さん、鈴静さん」
「あぁ、4人で勝ち取った勝利だな」
喜びを分かち合う彼ら、それを
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