第10話 「ガラスのハート」
「『廃集落エリア』到着―!」
廃集落エリアにはまだ冒険者がいなく1番乗りだった。
これなら拠点となるテントの場所選び放題だね。
あの後、あの場にいるとまたGモドキに遭遇しそうなので廃集落跡地まで突っ切りました。
直線で5メートルは長いのか短いのか、Gモドキが3匹、ワニモドキが2匹、カバモドキが4匹……と遭遇して全部狩りましたとも!
・寄せ鍋セット×2
・水炊きセット×1
・牛肉×1
・豚肉×1
・キムチスープ
・豆乳スープ
・鶏ガラスープ
俺は戦利品を見てホクホクする。
何作ろうかな~
Gモドキはサカイさんがすべて1発で仕留めていたので、姿は見てないよ。
てか、それなりにデカイ魔物を1発で倒しきる方が気になる。
それに何でか知らないが毒ダメージ入ってたし。
倒しきった後コソッと聞いてみたらサカイさんに「秘密でござる」と言われた。
苦しまずに即死する毒を何処で入手してるんだろうねこの人。
謎が深まるばかりである。
あ、毒ダメージで倒しきった魔物でも、アイテムに変わったら毒は着いてないからね。
この美味しそうな食材は今からHP・MP回復の為に食べる予定だ。
探索前の腹ごしらえは大事だよね。
開けたスペースに、アイテムボックスから魔導コンロを取り出し設定した。
鍋をコンロの上に置き鍋を温める。
選んだのはもちろん『贅沢牛すき鍋セット』。
牛すきに合うスープがカバモドキから落ちなかったので、アイテムボックスに常備してある醤油と砂糖を使った。
味をみながら足していく。
うむ、これくらいの味付けで大丈夫だろう。
煮詰まるのを待つ間、先程中断していた白モフ君について話しを再開した。
「ラスボス?このちっこいのが?……いや、ないない」
『ちっこいだと!?この雄々しさがちっこい!?』
お前自分でプリティーとか言ってなかったか?
可愛いのか格好いいのかどっちかにしろよ。
今の姿はどこからどうみてもフワフワなポメラニアンだ。
ぷにっとした肉球でてしてし叩いてもたいしたダメージにならないし、格好いい要素は何処にもない。
「元ヌシな、元。多分今は違う魔物がラスボスじゃない?違う魔物の気配があるし」
中央エリアのラスボスの気配は昨日から動いてないし、明らかに纏ってる属性が違うんだよね。
このヌシ改め白モフは氷属性。
中央エリアにいる新ラスボスは風属性。
「あぁ、リーダーがボッコボコにシバいちゃったから新しいラスボスになってる可能性は高いわね」
「せっかくのラスボスの座奪われたのでござるな」
ちょと!サカイさんとツクヨミさん何で白モフに同情してるんですかね。
ラスボス倒さないとこの島から出られなかったんですよ。
そもそもラスボスは倒すものだよね?
俺は悪くない。
え、悪くないよね?
「分かる分かるリーダー無意識だから余計タチ悪いよね」
「トラブル吸引体質な上にフラグクラッシャーですからね」
ヨウスケにクロウまで……!
トラブルに巻き込まれるのは確かだけど!
毎度迷惑かけてる自覚はある!
あるけど、フラグクラッシャーはげせぬ。
……俺何もしてないよ?
『……小僧……全然尊敬されとらんのじゃな』
白モフよその哀れんだ目が1番傷つく。
まだ笑われた方がマシな気がする。
だから、お願いだから後ろの面子も白い目で見るのやめて。
いい加減しないと俺泣くよ!
ガラスのハートにヒビ入りまくりなんだが。
「で、どうして此処にいるんだ?本当にリストラとかされたの?」
話題を反らすべく白モフに問う。
1番の問題は1つのフィールド上に元とはいえラスボスが2匹いるってとこだよね。
新しいラスボスがいる以上白モフの役割はなくなってるとは思うが、役割がないならなぜ存在出来てるのか……
ただの
『……うっ。……』
「う?」
『ウワァァァアアッ……ッ!』
俺と朱の咆哮メンバーはいきなり泣きだす白モフに困惑する。
アレ?
噂すればなんとやら。
なーんかこのパターン的に、毎度恒例になりつつある公式やっちゃった案件か?
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