第10話 初めての夜

コージ殿は酔いが回ったわらわをベッドルームに運んでくれた。


魔族領では誰もそんなことをしてくれた者はいない。


思わずうれしくなってコージ殿の顔を見上げると、普段は優しい表情なのに今は普段見せない力強い真剣な眼差しで見つめ返され、


「優しくするから、いいよね♡」


わらわの唇にコージ殿の唇が触れた。


頭の先から足の指先まで電流が奔る。

どんな高位の魔術師の雷撃よりも痺れた。


このままこの地で死んでしまうかもしれん。

だがすでに抗う力など残っていない。


コージ殿の手が優しくわらわの髪を撫でるだけで、わらわの体が湿り気を帯びていくのがわかる。


服を脱がされた後のことは、恥ずかしくて言えん。

ただずっと夢心地だったのに、一瞬股の間にチクッと痛みが走り、驚いたことは伝えておこう。

この200年痛覚遮断をかけていたので、200年ぶりの痛みであったが、すぐに気持ち良さの方が勝ったから、たいした話ではないのだが。



朝起きると、コージ殿が腕枕していてくれた。

顔が近すぎて朝からドキドキしてしまった。


おはようのキスをしてからシャワーを浴びに行く。

後からコージ殿が入ってきた。どうやらおはようのキスが足りなかったらしい。


長いシャワーを終えてリビングルームに行くと、ミカどのと彼氏どのが呆れた顔で待っていてくれた。

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