第8話 ダブルデート①
今日は日曜日、ミカどのはデートとやらに行くらしい。
わらわがデートとはなんぞやと問いかけると何やら電話をかけて、終わるといきなりわらわに、
「ついてきて欲しい」と言ってきたので、一緒についていくことになった。
表に出て待っていると、
「おう、美香、久しぶりだな。」
「そっちの女が新しい連れか?」
「そうだよ、ジュリちゃんって言うんだ。帰国子女っぽいから、少し常識に疎いけど、根はいい娘だからさ、仲良くしてね。」
すると目の前にオープンカーが現れ、イケメン男子が降りてきた。
「へぇー、君が美香ちゃんの新しい友達か。ダブルデートしようっていうから驚いていたんだけど、結構イケてるんじゃない?」
「俺はコージ、よろしくね!」
「はい、私の名前はジュリです。よろしくお願いします。」
「どうしたの、日本語カタコトだよ!」
「だから、ジュリちゃんは帰国子女でうまくしゃべれないんだから、笑わないであげてよね!」
ミカどのはわらわを庇っているようじゃが、なんじゃろうこの震えは、心拍数が上がってきた。
魔素の無い世界とはいえ、仮にも魔王であるわらわは、内在する魔力で防御力アップと状態異常耐性はマックスまで上げてある。それなのに、鼓動が聞こえるくらい状態異常になっている。おかしい。
立ち竦んでいると、コージ殿が優しく手を取って助手席に座らせてくれた。
わらわはどうなってしまったのか。異世界の病に罹ってしまったのだろうか。
「大丈夫? 何か飲む?」
コージ殿がわらわを見つめている。
ああ、そうか、異世界のインキュバスの魅了をレジストできなかったのじゃな。
魔王失格じゃ。
「も~、コージ先輩! ジュリちゃんは男の人に触れられたことのない令嬢なんだから、そんなに近づいたらジュリちゃん動けなくなっちゃったじゃないですか!」
「マジで! 男と手をつないだこともないのかよ!」
「ジュリちゃん、昨日そう言ってたから、間違いないですよ。」
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