第44話 氷洸鞭《ひょうこうべん》
鞭を手に入れた僕らは、
眠る
(
(わかった......)
そのとき、
「この気は!?」
とてつもなく大きな気が集まると、
「......すまなかったな......少しやすめ」
「
「問題ない、俺に気を与えたため、かなり気を消費したがな。
それを返した、すこし眠れば治る......それより」
僕たちが捕縛して連れてきた仙人に目をやる。
「......そいつは
よくお前たちだけで倒せたな」
「何とかな......それより、
戦争をやめさせないと」
「その必要なら、もうないかもしれん......」
そういって外に出た。
僕たちは真意を図りかねて着いていくと、
洞窟の外の吹雪が止んで青空がでている。
「なっ!吹雪がやんでる!?
驚く俺たちに
「逆だ......この国の雪は俺が、
この
「なんだと!!それはどういうことだ!!」
怒る
「どういうことですか......
「......仙境大乱のあと、地上も混沌とした......
仙人の残した
そして、さまざまな土地から、
ここに逃げてきたものたちがいた。
彼らは国を失い、いきばの失くなったものたち......
ここのものたちは幾度も虐殺の浮き目に遭った......」
「それでこの地を隔離した......」
「そうだ......住める場所だけ雪が及ばぬように、
外界から襲われぬように雪で守っていた。」
「......だが、人々は飢えてんだぞ」
「......そのままの人間が増えても、
満足に食べられているはずだった......
おそらく外界から入ったものたちがいるのだろう......
この極寒の中......外から入るのは人間には難しいはずだが......」
そう
(かまくらを作ったときの人骨か......
死ぬことさえ覚悟してまで、
ここに来ざるを得なかったということか......)
「しかし、もう
これで外界と戦争をしなくても、畑などは増やし、
飢えはなくなろう」
「確かに、戦う理由がなくなれば戦争は止められるか......」
「......ただ外界はどうなっている?戦は......」
「一応人間たちは戦争はしていません......
むしろ仙人と人間の関係が危うくなってますが」
僕は今までの状況を詳しく話した。
「なるほど......病か、
しかし国を滅ぼし
何のために、まさか......」
「何かご存知なのですか......」
僕が聞こうとしたとき、
「
「どうしたの?
「はぁ、はぁ、そ、それが......
北の城跡に国中の人たちが集まって戦をするって!」
肩で息をしながら、
「えっ!?でも、もう戦う必要は無くなったのに!」
「......それが、
『雪がなくなれば、外界の者たちが、
ここの土地を狙って攻めてくる。攻められる前に攻めろ』
そう言って、そそのかしてるみたいなんです......」
「......戦争を起こさせるわけにはいかない......
だが
私の力は完全に戻ってはいない。お前たちの力借りるぞ......」
「おう!!」
「ええ、それは......ですが、なぜここまで、
戦争を起こしたがっているのでしょう?」
「なぜって
「こんなところで戦争させても、
人間がいなくなるわけではないし」
「......そうだな......やつを甦らせようとしてるのかもしれん」
「やつ?」
「......ああ、
「倒された二尊仙の一人......」
「そんなことが可能なのか!?」
「ああ、二尊仙は不死、今は封印されているだけだ。
......ただその封印は普通解くことはできない。
解く方法はひとつのだけ、その封印を解ける刀、
「それで
でも、それとこの戦争と何の関係が......」
「
とてつもない気の力が必要なのだ......」
「それって陰の気を集める
使えるってことじゃないのか!?」
「ああ、陰の気は負の感情、戦争が起これば大量に集められる......
まさか
「......そうだ、おそらく陰の気を集めるために、
仕掛けられたものだろう......」
「それが
「......わからん、ただ今はあやつを止めるのが先だ。行くぞ」
そういった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます