第3話
「ねえ、
「翠蘭、お前に頼みがあるんだが」
私の言葉を遮り、
「頼み……って、何?」
「俺はそろそろ」
「うん、そろそろ?」
珍しく真剣で男らしい眼差しに、私はひるんで後ずさる。
右手に持っていた箸が、カランと音を立てて床に散らばる。
「……
「もう即位して二年。俺もそろそろ……子が欲しいんだ」
手首を掴む彼の手は、私が覚えている子供の頃のそれとは違って男らしくゴツゴツしている。少し怖くなった私は、
「……それで、私に協力しろってこと?」
「そうだ」
「…………」
「翠蘭」
「…………分かった。協力するわ。私と貴方の仲だもの」
「翠蘭!」
満面に笑みを浮かべた
「ありがとう、翠蘭」
「別にいいわよ。
「は?」
「何よ、三日くらい我慢できないの? 数が減ったとは言え、後宮にはまだ数十人は妃が残ってる。全員と会って話して、
床の上に仰向けで寝転がる
私はだんだん腹が立ってきて、無防備な
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