リベラと君のパーカーの紐
私は何事もきっちりしたい性質である
掃除は部屋の隅々までピカピカに磨きたいし
本棚の本は一巻から背の順に並べたい
棚や額縁の傾斜も気になるので
愛用の
そしてパーカーの紐は左右均等に伸ばしておきたい
均一、均等、
「教授~、この本ここら辺に戻しておけばいいですか~?」
「待て、その本はこっちだ。ちゃんと一巻から揃えてあるだろう」
「とりあえずまとめとけば良くないですか~?」
「水準器は丁寧に扱ってくれ、壊れたら困る」
「はいは〜い」
「返事は短く一回で」
助手として雇った彼女は一事が万事この調子
全くもってイライラする
四角い部屋も丸く掃く
オーバーサイズのパーカーの紐は
いつもどちらかがだらしなく伸びている
毎日それを見るたびにイライラして
彼女のパーカーの紐を左右均等にするのが私の日課になった
「君はパーカーばかり着ているな」
「あら、だって、これを着てれば貴方が気にかけてくれるでしょう?」
今日も妻はパーカーの紐を片方だけ伸ばして
私の水準器を磨くのだ
◇◇◇◇◇
ラジオで聞いたパーカーの紐を左右対称にしたい人の話を盛ってみた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます