1989・7・29 殺人犯・廃墟・レース編み



1989年7月29日



駅の構内のような地下街のようなところにいる。


人が沢山いるが殺人犯が来たと言う事で

人が蜘蛛の子を散らすようにざっと逃げる。

私も逃げて倉庫のような所に飛び込むと、

男性二人と母子の四人がいる。


ふと外を見ると殺人犯が人を殺して、

その血の跡を誰かが洗い流している。


私は早く逃げたくて仕方なく地上に上がると、

ちょうどタクシーが二台来たので

一台目に男性二人と私が乗り、後の車には母子が乗った。


私はその場から離れたら犯人も追っかけては来ないと思う。

すごく怖い。


私はタクシーの後ろに乗っていて、

運転席と助手席に男性二人が乗っている。

車は二十年程前の古い型でとても狭い。(注:1960年代の車)


私は廃墟のような古いビルに連れて行かれたが、

中には人がいるらしい。


そこにはやはり人がいて、

何かがあって身を隠している芸能人がいて私と話をする。

その人は淋しそうに話をして何かを後悔しているようだ。


誰かが下から芸能人を呼んだのでその人は行ってしまい、

私は一人になる。

しばらく周りを見ていると人が来た気配がする。

急に恐ろしくなり、私は逃げた。


すると行き止まりの部屋に来てしまい、

私が隠れると気持ちの悪い男が入って来るが、

女の人が出て来て追い払ってくれる。


私がその部屋をぐるりと見ると箱があり、

中を見ると細い糸で丁寧に編んであるレース編みが出て来て、

それは大変に美しい。


歳を取った女性がそれは私の娘が編んだんですよと言う。

若いうちに娘さんは亡くなったらしい。

それから部屋はそのままにしてあるようだ。




補足:

車の年代は文中に注釈してある通り。

日記を書いた当時は20年前でも今では50年ぐらい前になる。


全体的に恐怖が満ちていて逃げてばかり。

タクシーの運転手はどこに行ったのか、

ともかくこの時点で自分の意志で動けない恐怖があった。






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