仰神学校の日常

かすかに存在する何か

第1話 天井家の家柄事情

この世界では神や悪魔等が実在していて、一部は地上に降りて人間と共に暮らしている。

地上に降りた神や悪魔は老いて死に、血脈から新しく生まれる世襲性となっている。


つまり何が言いたいかというと…

この度私、天井・光水あまい・ひみは第43代天照に就任することとなりました。

これからの名前は

天井・天照・光水あまい・あまてらす・ひみとなるようです。


「イヤだよぉ、ウチでゴロゴロゲームしてぇ、ポテチ食べてたいよぉ…」

「それ肉体に変化のない姉さんと違って、いきなり股間から一切が無くなった私に喧嘩売ってる?」

「…ごめんなさいでした!」

布団にくるまっている私の目の前で仁王立ちしてるのは、私の現・性別不明にして元女の妹、天井・月読・夜々あまい・つくよみ・ややだ。

とうやら先代の神様は二人仲良く辞めたみたいだ。


「いくら生まれたときから殆ど決まっているとは言っても、もっとこう…段階的にね?」

「むしろ、わかりやすいくらいのタイミングでしょ高校入学のタイミングって」

「おかしいよ!高校受験だって「もとより進学先は仰神って決まってるでしょ」…うわーーん」

仰神学校は私達のような世襲者(予定者を含む)が通うことを義務付けられた学園で色んな世界の世襲者が集まる特殊な学校だ。


私達の家系はもともと、月読の家系だったのだが数十年前に天照の家系の血が合流したせいで私が天照になったと考えると

納得がいかん!

いかんのだが・・・・・


思金おもいかねのおじ様の期待は裏切れないんだよね…」

「姉さんは特に弱いよね、思金さんに」

思金さんは今では珍しい、降りていない神様だ

私達に教育するため定期的に下界に降りて家庭教師をやってくれてる大変いい人だ。

まぁ、ちょっと見た目が人じゃないけど・・・


「それで?愚痴が終わったら連れてくるように母さんに言われてるんだけど」

「うぅ、苦労かけます」

・・・どっちが姉かわかったもんじゃないやり取りを終え、二人で下に降りた


「ようやく落ち着いたか?いきなり叫びだした時は、手遅れになったかと思ったよ」

「お父さん!娘に手遅れなんて言わないでよ!」

「いや、まさかホントに天照の後継者もウチから出るなんて思わなかったわ」

「お母さんまで……」


後継者となる人間は基本的に初代と同性の人間であることが多い。

そのため、天照が女性であった為父は婿養子に出されたというわけだ。

ちなみに天井家の祖先である月読は性別不明という神様な為、後継者の性別がバラバラなのが特徴だ。


「そういえば、二人共後継者と確定したからAクラスになるのね」

「うわぁ、そうだ、そうなるんだ」

「姉さんにこれ以上プレッシャーかけるの止めてよ。私が慰めるのがたいへんなんだから」

仰神では、通う人間によってA~Fにクラス分けされる


D~Fクラスは一般市民

B,Cクラスは世襲者候補

Aクラスには世襲者と別れることが決まっている。


一般市民も通える理由としては、人間と慣れ親しむことと、将来的な補佐・契約者を見つける為の一環らしいけど


「嫌だー!学校行きたくない!!」

私は普通に一般市民が良かった!

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