孤独な革命家

リーア

第1話

「文化祭の予算を組むため、明日一人700円を持ってきて下さい。」


クラスのグループチャットにメッセージと、予算の内訳が書かれた紙の写真が送られてきた。

携帯を静かに机に置く。

夕焼けがノートを照らしていた。


部屋のドアが開かれ、母が不機嫌そうな顔をして立っていた。


「夕飯出来たから早く降りてきて!何回呼んでも来ないんだから。」


そう言ってスタスタと階段を降りて行った。

頬杖をついていた僕は、重たい体を持ち上げて階段を降りる。

どうやら、僕が文化祭について熟考している間に、何度も呼ばれていたようだ。

リビングのドアを開けると既に夕飯が並べられ、両親は遅いと目線で訴えてきた。


「ごめんごめん。」


僕は苦笑いしながら席についた。


「いただきます。」


今日の夕飯はカレーだった。

食器を片付け、母に文化祭の予算の話をした。

母は財布から700円を取り出し、渡してくれた。

僕は言葉にしにくい感情を抱いた。


自分の部屋に戻り、ベッドに身を投げ出した。

髪がカーテンのように視界を遮る。

起き上がり、机に視線を移す。

予算や内訳、問題点が書かれたノートが目に入る。

僕は問題点だらけの予算にイラつきを感じていた。

どんな方法が解決策として最適か、考えた。

顎を手の甲に置き、段々と猫背になっていく。

考える人のように深く、深く思慮を巡らせる。

合理的な解決策ができたのは日付の変わる数分前だった。

僕は電気を消して、ベッドに入る。

少し暗い夜空に星が輝いていた。


軽快なアラームの音と、白い朝日に起こされる。

朦朧とする意識の中、半目でふらふらとゾンビのようにトイレに向かう。

トイレを済ませ洗面所に行くと、酷い有り様の僕が鏡に映る。

大きなあくびをして、冷水で顔を洗う。

少しばかり目が覚めた。

人形のように血色の無い白い肌に、寝癖だらけの髪。

歯磨きをしながら寝癖に水を付ける。

制服に着替え、鞄を持って階段を降りる。

リビングに入るとトースターが可愛く鳴く。


「おはよう」


母は焼けたばかりのパンを持ちながら、父はネクタイを整えながらおはようと返す。

母からパンを乗せた皿を受け取り、ニュースを見ながらパンにかじりつく。

食べ終わり、鞄を持って両親に行ってきます、と言い家を出る。

自転車に乗って高校へ向かった。

朝日は月を追いかけ、高く昇る。

十数分漕ぎ、高校に到着する。

自転車に鍵をかけ、教室に入る。

騒がしい教室に空気のように溶け込み、唯一の友人に挨拶をする。

席に着き、鞄から本を取り出す。

いつも通りのクラスメイトと授業が過ぎ去っていく。

ロングホームルームの時間になり、文化祭についての話がされる。

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