埴輪なアッシはハオちゃんだよ
なかと
プロローグ
── 地中深くから響く声があった。
『やあ、アッシだよ』
それは、人類における福音なのか。
はたまた、終末を告げし不協和音と化すのか。
人類はまだ、その結末を知る由もなかった……。
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モゾモゾと大地から這い出したのは、一体の埴輪だった。ポッカリ空いた大きな
「ハオちゃんだよ! 連載が始まったんだよぉ!!」
まあ、なんという事でしょう!
その埴輪は、みるみるうちに少女の姿に変わっていくではありませんか!
空洞だった瞳はキラキラとした大口径パッチリおめめが搭載され、ニョキニョキと生える手足は、まるでお魚ソーセージみたいにスマートです。
とっても可愛いですね! 皆さんもそう思うでしょう?
そうそう。女の命とも言われる髪の毛を忘れてはいけません。フワッサアっと、ツヤツヤなおかっぱ頭にはキューティクルが輝きます。
この髪型であれば失恋しても髪を切る必要はないでしょう。とても合理的で実用的。
おや? その髪には可愛らしい埴輪の髪留めがありますね。 髪留めとして全く意味がない飾りですが『偽りは女のアクセサリー』と、聞いたことがある様な、無い様な?
それははさておき、埴輪の髪留めは言葉を発します。
『ハオよ。魔砲少女となりて、古墳中学校に巣食う『
その声は大地の奥底、地獄の亡者の叫びに似て、とってもキュートです。
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埴輪の髪留めにハオと呼ばれた少女は、薄ら笑いを浮かべて言いました。
「やあ、アッシだよ。埴輪ハオちゃんだよ。ややこしい設定は飛ばして明日から青春学園ものが始まるよ。思春期中学校編スタートだよ!」
さてさて、始まってしまいましたね。
クレイドールなのか、クレイジードールなのかは分かりませんが、どうぞ、彼女の活躍にご期待下さい。
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