世界樹の生まれ変わりはちょっと臭かった「むっつりが異世でぺちゃぱいエルフにホレられた」

もるっさん

第1話 生贄の台座

・・・・・・

テンテン♪ テロリン♪ テンテロリン♪


鏡に写る自分の姿に腰を振る。

別に棒アニメのマネでもなければ悪いスライムを買っているわけでもない、俺オリジナルのストレス発散法。

妄想が膨らむ中、将来に備えて子供を作る練習と言っても過言ではない。

変態?、そりゃ世の中の人間はほぼ変態、違うというのなら、、、、、、、、それはロボットだ。

でも、無機質、無感情、だったなら進学の勉強はどれだけ楽に出来ることだろう・・・。

夢の国家資格を取るまでは、そんな人間に俺はならなきゃいけない。


はぁ・・ 明日は見学旅行だったな。早朝の出発だったから早めに寝るか。

俺はパジャマのズボンをはいた

・・・・次の日・・・・


ざわざわ


見学旅行ってなんでみんなテンションが高いんだ?


ドン!

オレの脇腹に女子のヒジが直撃する


「ちょうと 男子気をつけなさいよね もう!」


「ぶつかってきたのはそっちだろ?」


まあ 俺にとってはヒジ打ちですらご馳走様だけどな。


ざわざわ


先生「みんな ここは歴史資料館だぞ 静かにしろよ!・・・・という石の台座だ。

   実際には トラや象と言った強い動物以外にも強き力を得るために儀式では人肉も食べていたそうだ」


ざわざわ ざわざわ

キャー 怖いわ 

うげぇ 台座の赤いのって血なのか?

そんなわけないじゃん 何万年前の話だと思ってるんだ あははは


そんなざわめきの中で彼らの表情をレンズ越しに鋭く狙う女性がいた。

パシャ! パシャ! パシャ!


「いいわぁ~ 卒業写真にみんなの怖がっている顔を載せちゃうんだから ふふふ

  え~っと  あら トシユキ君だけ表情が硬いわね。怖すぎて顔が固まっているのかしら? なによ いい写真が取れないじゃない」


先生が歩き出すと黒い塊がぞろぞろと動き出す。

一人が振り返って声をかけてきた。


「アケミ いくわよぉ~ 」


パシャ!


「振り返り美人ちゃん シャッターチャンス!」

「あはは やめてよぉ~ もう。学園一の美人のアケミに美人って言われても嬉しくないわ。それより自分の写真を撮りなさいよ。

男子のみんなもアケミの写真を欲しがっているわ」


うん うん



「なんで 男子が私の写真なんて欲しがるの?(ふふふ そうよね 可愛い私の写真を買って男子たちは何をする気なのかしら)

それより、私は将来カメラマンになって絶滅危惧種の動物たちや貧困にあえぐ子供たちの姿を世界に届けたいのよ。

石の台座の写真を撮影したら すぐに行くから先に行ってて美人ちゃん」


アケミは胸元で手を小刻みに降って合図をするとくるりとスカートをなびかせて後ろを振り返った。

台座の前には男が一人で前に立ち、何かぶつぶつと独り言を言っている。


「トシユキ・・一人で台座で何してるの?」

 

ぶつぶつ ぶつぶつ


「学歴・・資格・・部活動・・役職。。この台座は相手の経歴を受け継ぐことが出来る就活マシーンだ!

サッカー部の部長を食べれば 部長の経歴を得ることが出来る。

こんな ズルいシステムがあっていいのか?」


ぶつぶつ


「トシユキったら・・そうね そうね。本当は怖かったのよね。いいわ。みんなから遅れた罰として最高にびっくりした顔・・じゃなくて怖がっている顔を写してあげようじゃない」


ぶつぶつ


「俺が気付いてきた経歴も学歴も努力も この時代では食って終わりだとぉ!そんなの許せるか!」


トシユキは 真っ赤な顔でプルプル震えるコブシを胸元近くに持ち上げた。

後ろから声がする


「今が チャンス・・・ わぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


コブシは勢いよく生贄の台座をぶん殴る!


バキ バキ バキ!


「ええええ!」


台座の割れ目から光が飛び出し目がくらむ

世界が白くなって まばゆい光に包まれた。


どのくらいの時間が経ったのかはわからないけど ホホに風と砂埃がぽつぽつと当たって気付いた時には岩がゴツゴツと出ている砂漠にいた。


焼き付ける日差しと温風のようなドライな風

二人はわけが分からない。


「ここはどこ? どうして私倒れてるの? 頭い・・たい。」


頭痛とぼやけて視界が少しづつ張れてい来るとトシユキがキョロキョロと見渡している

助けを呼んできてくれるつもりなのかしら?

まさか・・私を置き去りにする気?

ウソでしょ?

そんな事ってある? 美人で清楚でおしとやかな私なのに!


・・・・。 


ああ~なるほどねぇ わかってきたわ

私を不安がらせて・・・ 「トシユキ まぁ~ってぇ~!」って追いかけさせたいのかしら?

そうよね。シャイなボーイには私と二人きりになるなんて無理よね。

私の バカ バカ バカ・・てへぇ

仕方がないわね。あなたの青春の思い出。。私が叶えて あ・げ・る


「トシユキ まぁ~ってぇ~!」


アケミがぶりっ子走りをしていると スカートの中を除かれたような危険な視線を感じる。


(何々? 私見られてる?)


視線を落とすと すぐ足元にタラコ唇の目玉をギョロギョロさせたニンニクが下から覗き込んでいた


「キャー!!」


ゴツン!

無我夢中で 思わず蹴とばした!

ニンニクは蹴り上げられた反動でトシユキの顔面へ叩きつけられ

私は・・


「うがぁ」


蹴り上げた反動で体が宙を舞いそのまま顔から地面に倒れこんだ。

か弱い私は倒れこんだ。



視線を感じる。

・・・。

・・。


視線を上げるとそこには目の大きなニンニク人間の化け物がいた。

キャ!っと思ったけど

人間が本当に怖いときには悲鳴を上げようにも 声が出ない。

そして ニンニクの化け物からは強烈なニンニク臭が漂ってきた。


「ニンニク臭? う。。臭い・・でも なんか きもてぃ~」


※スキル:気絶快楽を付与しました。


あははは

あははは

雲の上を歩いているみたい。

そうだ・・気絶しちゃおう・・ 私にとってそれが一番の選択肢

ああ きもてぃ~ バタン


・・・・・・トシユキ視点・・・・


ここはどこだ?

俺は見学旅行で資料館にいたはずだ。

何だこの 熱い日差しは

渇いた風は・・そして この手触りは。。


ムギュ


ムギュ ムギュ ムギュ


柔らかい

優しい感触が手に伝わってくるだけで 太陽から差し込む日差しが天国への階段に見えてくる。

俺は 何を握っているんだ??



手に先に目を向けるとアケミの肌色のマシュマロ。

白い制服の上に俺の手が置かれている


「うわっわぁぁぁ!・・・気持ちいじゃないか」


アケミは 目の焦点が合っていなくて意識を失っているように見えた。

これは ラッキータッチってやつじゃないのか?


ムギュ ムギュ


「たまんねぇ~」


ムギュ


「ん?」


二人きりだと思っていたけど クラスのみんなはどこへ行った?

まさか 今のを見られたんじゃないだろうな?

まずい・・ 見られるのはマズイ。

俺の内申点が下がってしまう・・

将来は医療関係に就職してナースとハーレムを作る俺の夢がここで終わるというのか?



「探さなくちゃ!」


俺は目撃者を探すため

周辺を見渡して歩き始めた

するとアケミの声がした。


「トシユキ まぁ~ってぇ~!」


ギク!

どうする俺・・

俺は振り返ってホホの筋肉を引き上げて 笑顔を作った。

悪魔でも 爽やかに。

不可抗力なんだから あははは あはって感じで・・。


振り返りざまに見えたのは 蹴り上げられた足とパンチらだ!

思わず口を開けてしまうと 石が口の中に飛び込んできた。

そう アケミは胸を触ったことを知っていたんだ。



ゴボ!!!!!


「うげぇぇぇ~!」

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