からみからまれかられる

バブみ道日丿宮組

お題:昼間のキス 制限時間:15分

「えっと……その」

 気まずい。

「ひょっとして意識してるの?」

「そんなことはなくて……」

「固くなってるじゃない。もしかして、発情もしてる?」

「そ、それはないよ」

 放課後の教室で二人っきりになったからといって、性欲を持て余すことはない。

「ふーん。ほんとかな」

 さわさわと股間を触れられる。

「濡れてるかはわからないね。指入れてみる?」

 触れた指を鼻に持っていき、彼女は吸う。

 まるで匂いがわかるみたいに。

「や、やめて!」

 その仕草にどきりときた。

 仮に股間濡れてなくても反応はしてしまう。股間とは非情にデリケートなのだ。

「じゃぁ、またキスしよっか」

「う、うん」

 昼にあったのは、軽いキス。

 その後はすごくドキドキしてて、授業に集中できなかった。

 放課後残って欲しいとメッセージをもらって、ちょっと余計に慌てた。

 なにか起こってしまうんじゃないかという期待と、恥ずかしさで今もいずらい。

「はじめてのキスは、好きな人って決めてたんだ」

「そ、そうなんだ」

 あむあむとお互いの唇を噛むように、やがて舌を絡ませるものへと変わる。

 きゅんとした。

 キスってこんなにも素敵なものなんだって。

「これ以上はここだとバレちゃうから、私の部屋行こっか」

「え、えぇ!?」

 これ以上とはいったい。これ以上とはいったい。これ以上とはいったい。

「で、でも、急に家にいったらお母さんとかびっくりしちゃうんじゃないかな」

「今週はいないから。そのままお泊りもできるよ」

 言葉を挟もうとしたが、口を封じられた。

「くるよね?」

「……えっと、う、うん」

 強気の彼女に否定できるほど、わたしは強くない。いつだって、押し込まれてしまう。

 彼女と出会ったのは、ちょうど教室でいじめにあってた頃、いじめの様子を録画して注意して学校の掲示板に貼り制裁を与えた。

 彼女には裏の事情があり、誰も逆らえなかった。

 そこからわたしは彼女に付き合うようになり、肉体関係を持つようになった。

 そんな彼女に手を引かれ、教室を出て、学校を出て、数分歩く。

 見えてきたのは、古き屋敷といったぐらいにきれいな彼女の家。

「お、お手伝いさんがきてたりするって」

 前に聞いた気がする。

「部屋には入ってこないよ。用事をするだけの機械みたいな人だから」

「へ、へぇ……」

 それは安心できるのかできないのか。

「ちゃんと警備員もいるから、セキュリティは大丈夫だよ。カメラに映りながらしたいっていうなら、用意してもらうけれど」

「そ、そんなことないよ!?」

 特殊性癖などない。

 部屋につくなり、彼女はわたしを押し倒し散々堪能された。

 満足した彼女と放心したわたしはベッドでしばらく天井を見つめ会話をする。

 その結果として、お泊りが確定した。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

からみからまれかられる バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る