第6話
処刑は一悶着あったとはいえ直ぐに終わらせたはずなのに脱走を始めた囚人達
更に俺達は処刑の警備だけの筈だったのが緊急事態なので囚人の鎮圧に参加する事になった
どうして
「クソが…行くぞ御剣、黒羽」
死にたくねぇ…
初陣でこんなにめちゃくちゃ戦わされるの嫌だァ…
もっと安全な任務からやりたかったァ…
「…いやいや!?先程の戦いはなんでござるか!?なんで電撃が効かないんでござるよ!?」
いや、今更そんなに驚かれてもね…
俺はもう驚いて、飲み込んだ後なんだわ…
「それは俺も知らない、それよりも囚人達の鎮圧ださっさと行くぞ」
「ん、行く」
よーしよしよし、黒羽さんこういう時は飲み込みが早くて助かるわぁ…
…もしかしたら理解してないかもしれないけど
でも今は巧遅拙速だからな!急ごう!
「いやっ、本当にそれで済ますんでござるか!?」
御剣の驚く声を無視して看守さん達を追い掛けた
俺達が見たのは…
「死ね死ね死ね死ねぇ!!!俺の【
看守さんの異能で作られたバリアを攻撃する
ちょっとヤバめの異能者だった
コンクリートの壁や通路が抉れる程の威力の異能を乱射する様は当に狂人である
異能者は頭おかしい奴しか居ないとさえ思えてくる
いや、看守さんは良い人だし違うか
「…!良いところに来てくれた!そろそろ【
「えっ、マジで!?」
それは不味い、あいつ攻撃の手が激しい
バリアが無くなったら俺達は一瞬で蜂の巣だ
「…とりあえず俺と黒羽で影の防壁を作ろう」
「ん、分かった」
そう言って二人で影を使って看守さんの防壁の少し後ろに影の防壁を作る
「看守さん、バリアを解除して下さい」
「ああ、助か…る…」
そう言うと限界が来たのかバリアを使っていた看守さんは倒れる様に気絶する
「あぁ?今度は影の壁?仕方ねぇ…これは使いたく無かったんだかなぁ!
言葉とは裏腹に楽しそうにそう言うと、攻撃が更に苛烈になって行く
影の防壁は軋みも撓みもしないが【影獣】は確かに影の損傷を訴えてくる
こちらからも攻撃したいが影の壁はこちらから攻撃が出来ないので千日手
…いや、俺達は消耗しているがあいつはほぼ消耗してる様子がない、俺達はかなりジリ貧である
「んん〜?じゃあこっちかなぁ…
それどころか今は丁度何かを貯めてるからこのままなら影ごと貫かれるだろう
「あれたぶん壁壊れるけど、どうする?」
「…どうすっかな」
あれが駄目なのは分かる
今なら外に出て攻撃出来るのではないか?
そんな考えが頭をよぎる
しかしあれが誘いだとしたら?いや、だがここで行かなければ…堂々巡りし続ける思考の中
この状況を危険を犯さず突破する手段を思いついた
単純な事だ
影の壁が急に破られないかどうかビビりながら身体を影の防壁にギリギリまで近づけ
「【
電撃を影の壁越しに放ってみた
すると【
視界が影で上手く通らないから操作は出来ないが
向こう側に生成するだけなら近づけば出来る
なので壁の向こうに雷撃を生成したのだ
当たるかどうかは賭けだったが…
俺は賭けに勝ったらしい、もとより殺すまで電撃を生成し続けるつもりだったが
それにしてもマジで黒焦げ死体グロいな【
この状況が嫌すぎて夢だったりしないかなぁ
なんて現実逃避しながら黒焦げのグロ死体を見ないように上に向かう、辛い
いや、これで看守さんや無辜の民の命が守られるならこれも人助けだ
「看守さん達はここで気絶した看守さんを守ってて下さい、俺達は上に行きます」
「あぁ…助かるよ…」
…これが終わったら看守さん達にアルザレル教広めてみようかな
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