婚約破棄された俺は、悔しくて冒険する。~俺のハーレムは、最強で最高な仲間たちと共に築く!~
リナ
1.
20歳の成人になったばかりの頃だ。
今日こそは自分の実力を認めさせてやるんだって意気込んでいたんだよ。
だけど、あの時の事を思い出すたびに今でも腸煮えくり返るよ。
城の中庭には大勢のギャラリーがいた。
そんな中で、俺にこう言いやがったんだ……あいつ……。
「貴方みたいな気弱な男性では私の夫としては相応しくありませんわ」
そんな事を言われたって、俺だって好きでこうなったわけじゃないんだよ!
ただ、この容姿で生まれた以上しょうがないだろ?
俺がどれだけ頑張ってみたところで誰も認めてくれないし、それどころか俺をバカにするやつばっかりだしさぁ、
それに女だって俺の事を見てくれないんだよ、本当に、俺は一体どうしたらいいんだろうな……?
もうさ、なんか疲れたよ。
俺は目の前で睨み続ける最愛の元・婚約者に
こう聞いてやった。
「あのさ、エリーゼ王女? 頼むから、考え直してくれないかね」
そう何度言っても無駄なんだよ、全く困ったものだよなぁ、
まさかこんな事になるなんて思いもしなかったんだからなぁ……はぁ……。
それにしても、今思うんだがどうして、あの時、もっとちゃんと断らなかったんだろう、こんな事になるなら、はっきりと言ってやれば良かったんだよなぁ。
そうすれば、あんな事にならずに済んでいたかも知れないと思うと今更ながら後悔してしまうもんな、本当、あの時は何もできなかった自分を
情けなく思ったもんだしな?
まぁ、もう過去を振り返るだけ無駄だと思う事にしたけどな、なんせ、今の俺はこの最強のスキルを持つ仲間がいるからな、それで十分だろうって
思うことにしたからさ、さて、これからどうするかだよな、取り敢えず、あのクソ女に復讐でもしてやりたい気分だけどさ、それよりもまずは、
レベルを上げて強くなることが先決かなって思ってんだよな、何せ今の俺達はまだ駆け出しだから、先ずはその事をしっかりと考えて行動しない
といけないと思うんだよね。
俺が回想シーンに浸っていると後ろから肩を叩かれた。
振り返るとエレミア・クリアナが少しだけムッとした顔で立っていた。
「どうした?」
そう言うと、彼女が少し怒った顔で言うのだ。
「振られた男が、だらしないわね、ほら、狩りに行くわよ、ロイス」
そう言って俺の手を引っ張っていく彼女を見ているとやっぱり頼もしいなと感じてしまうよな、
我が師でもある、そんなエレミアの後ろ姿を見ながら俺もまた歩き始めるのだった。
そして、俺達一行は森の奥深くへと進んでいくのである。
するとそこにはゴブリンの群れがいて、こちらを見つけるなり襲いかかってきたので、俺とエレミアはそれぞれ武器を構え戦闘態勢に入った。
とはいえ、俺の職業は、精霊術師なので、主に後方支援がメインになるんだけどな。
それでも一応攻撃手段はあるんだぜ、それがこれだ!
「くらえ、ファイアーボール」
火の玉を作り出しそれを敵にぶつける技なんだけどこれが結構威力があるんで重宝しているぜ、他にも色々あるんだけどそれは追々説明することにするぞ。
それともう一つあってだな、これはあまり使いたくないというかなんというか、出来ればやりたくはないんだけどさ、これしか方法がないって
言うんなら仕方ないと思うんだ。
うん、そう思うことにしよう。
よしっ、そうと決まったら早速やってみるとするかぁ~、そう、思ってはいるもののなかなか勇気が出ないもので、どうしようかと考えていたその時であった。
ふと、頭の中に何かが流れ込んできた様な気がしたので言葉にしてみる。
邪が出るか、鬼が出ますかっと心の中で唱えてみるけれどまぁ、してみないと分からない。
「エレミア新しい攻撃魔法を試してみる、俺が唱えたら、避けてくれ」
と言うと、彼女は頷いてくれたから、安心して詠唱を始めることにしてみた。
「我と契約せし炎の精サラマンダーよ炎を司る者よ力を貸したまえ、ファイアーバード!」
俺の杖から放たれた炎が鳥の形となり目の前の敵に向かって飛んでいく、しかし敵はそれを避けたかと思うと今度はこちらに向かってきた。
すかさず次の呪文を唱えると敵が怯むのが分かった。
よしこれならいけると思った矢先だった。
敵の背後から別のモンスターが現れて、しかも、そいつが俺の横をすり抜けていった瞬間に、そいつはあっという間に切り刻まれてしまったではないか!
それを見てしまった俺は思わず固まってしまうのだが、すぐに気を取り直して再び呪文を唱える準備を始めた時だった。
急に体が動かなくなってしまったのだよ、一体何が起きたのかと辺りを見渡してみると、なんと、地面の中から現れた無数の手によって体を掴まれていたようで
身動きが取れなくなってしまったのです。
「エレミア―――!!!」
そう叫んでしまいそれでも自分で何とかしたいと、そう思ってしまったのだった。
そんな時だ、不意に頭の中で何かが聞こえてきたような気がしたんだ。
それもとても懐かしいようなそんな声のようなそんな感じだった。
(汝の力が必要じゃ)
そんな声が聞こえた瞬間だった。
いきなり体の自由を奪われてしまい動けなくなったと思ったら、目の前に見たこともない化け物が現れたんだ!
それは、綺麗な狐の火焔獣だったのだけれど、明らかに普通の奴とは違う雰囲気を漂わせていて、正直怖かったんだ……。
だってそうだろう?
いきなり現れて、しかも、こっちをじっと見てくるんだぞ?
そんなの怖いに決まってるじゃないか!
「汝よ、我を使役してみよ」
その声が頭に響く。
光が止むと元の場所に立っていた。
しかも、エレミアが今にも食われそうになっていたので慌てて助けようと走り出そうとしたのだが、足が動かない!
なんでだと足元を見ると先程の黒い手が足に絡みついていたようだ!
『我が名を呼べ』
「助けて、エルドレア」
俺は咄嗟に叫んだ!
その瞬間だった、目の前が再び光に包まれたかと思った次の瞬間には、綺麗な赤い炎を纏った、金色の狐が現れていたのだ!
俺は驚きながらも、恐る恐る手を伸ばしてみると、その美しい毛並みに触れられた事で安堵すると同時に感動してしまったんだ!
だって、こんなにも美しく神々しい生き物を見たのは初めてだったから!
俺は暫くの間見惚れてしまっていたんだ!
「今は仮契約である、其方の力を見て本契約をするか決めさせてもらおう」
「エルドレア、木漏れ火」
俺は目の前にいる綺麗な赤い炎を纏った、金色の狐のエルドレアに命ずる。
精霊術師は使役する、使い魔に命令を下す事が出来るからだ!
俺は先程聞いた言葉を思い出しながら叫ぶように命じる事にしたんだ!!
(俺を守れぇぇぇ!)
するとどうだ!
先程まで動かなかった足や腕が動くようになったではありませんか!
俺は嬉しくなってついガッツポーズを取ってしまいましたよ?
それから直ぐに俺は地面に手をついて魔法を唱えることにしたんです……。
何故なら、この呪文を使えばきっとこの状況を変えられるはずだって思ったからです!
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