神人戦争
月灯 湊
第1幕 ヒトガミ
昔から、人に善行を施すことが好きだった。偽善でもない訳でもないが、まぁ聞いて欲しい。
幼少期から寺に行き、お経を唱え、人の話を聞くことが日課となっていた。言葉を覚え始めてきたら、話を聞くだけに関わらず相手が嬉しくなるような相槌やアドバイスを的確にするようになっていた。難しい言葉も理解できるようになり、読み書きまでできるようになると自分から講談をできないかと宗師に許可を取ってやっていた。宗師も寺に人が来るようになるから助かると喜んでいた。
大人になるにつれて、教えを説くということを覚えた。仏という存在を信じ、善行を積むことで自分は来世で報われると。もちろん、私自身もその存在を信じ、来世が報われるために善行を積んでいたが、やはり一番の理由はそれが好きだったからだと自覚していた。
教えを説くことができるようになってしばらく経った時、ふと旅に出たくなった。この地のみならず、各地で善行をし、教えを説き、また新天地に赴く。この生き方が自分の定めなのだと気づくのに時間はかからなかった。
ある山道を巡礼していた時だった。不思議な少年と出会った。月のように白く輝く装束を纏った、丈の小さい少年だった。
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