ぼっち召喚士と万能聖女~コミュ障に友情召喚(フレンドサモン)とは嫌がらせか?!~
@ashw
第1話 今日から始める
その日、全校生徒が見守る中。
首輪をつけた少女がたずねる。
「あの、私とーーーー」
「私と友達になってくれませんか?!」
恥ずかしがりながら、しかししっかりと差し出された手をみつめながら……
(これなんて罰ゲーム?!)
彼は冷や汗を流しながらそう考えていた。
なんてことはない、彼はコミュ障だったのだ。
これはそんなコミュ障と万能聖女のお話……
生まれ変わった。
そんなのを自覚したのは、何時の話だろうか。
それは、少年としては最悪のタイミングだっただろう。
全ての10になる子供達が神様からの祝福として
しかしそれは、少年にとって呪いに他ならなかった。
前世の彼は、ただただ孤独を極めた末になくなったのだ。
たいして得たギフトは、友好結んだ相手の力を借りる
とまあ、致命的にかみ合わない二つの祝福により彼の苦行の日々は始まる。
前世の記憶が邪魔をし上手く話しかけることができず、そして孤立していった。
ギフトも召喚だとごまかししかし何も出ず。
嘘つきだとされた彼の二年など想像するに容易いだろう……
かくて、少年もとい
話は変わるが彼の国ではギフトを持った少年少女達12才になると【学園】と呼ばれる場所に通うこととなる。
むろん彼もその中に入るのだが……
「行かないとダメ?」
「だめよ、これは私達のためでもあるの。あなたが行かないと私達が捕まっちゃうの」
彼にとって逮捕などというのが本当の事なのかわからないが、それだけは困ると渋々行くこととなる。
母に見送られ、乗り合い馬車に乗り込む。
むろん見たくない顔ばかりなのだが……
それは彼らも同じだろう。
お互いに顔を合わせることもなく、約一週間の旅の末に……
「やっと離れられるな」
これ見よがしに聞こえるように呟いたのは
彼をいじめていた連中の一人だ。
ただこれに関しては、彼も同じ気持ちだっただろう。
──大人に叱られてもそれを止めないのは、使えないギフトを持つものは無能で、
無能には何をしても許されるという図式ができあがっていたからだ。
彼らの中で育った優越感と嗜虐性は叱られたからといって変わるものではない。
まあ、失敗したのも極度の緊張の上にまだ何一つ契約を結んでいなかったからだ。
しかし子供達にはそれはわからないし、彼もそれを説明できるような精神状態ではなかった事も事実だが──
かくして、この地獄から逃れた全員が思ったことはただ一つ。
(今日は休もう)
待望の学園だというのに先行きは暗かった。
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