先生、わたしワープしてます。

野牡丹鯨

第1話



「これ未来で流行ってるんだよ。」

棚に並んだ服を手に取りながら隣の知らない子へ自慢げに話すゆゆ子。怪訝な顔で無視される



「ゆゆ子、やっぱりおまえタイムワープしてたのか...。」


背後から聞こえたその言葉に一瞬身体が固まった、だが重心が前に傾くとゆゆ子はすぐに走り出した。


ああヤバい。ワープしたのかって言って....で、気付かれた?んな何でそんな確信したみたいな声で。てか私ただこの時代の服装に感動してよくある可愛い♡を定義して発展させた言葉言っただけじゃん!それのどこにタイムワープを確信出来たのだ?!


ぐるぐると思考をこねくり回すゆゆ子は足早に逃げるが行き着いた扉の先は調理教室、調理中の生徒たちが作っているたまご焼きの匂いが充満している。すると私を遅れてきた生徒だと思った調理の先生があなたも作りましょうといって手を引かれ調理をさせられる。しばらくしてこの教室にたどり着いたトドリ先生はドアを半分開くとゆゆ子のその様子を見ていた。作り終わって片付け最中の先生が学校アナウンスで呼ばれる。生徒たちはそのまま片付けをしてるように言われ先生は教室から出て行った。ゆゆ子は後ろで鳴る扉の開く音でトドリ先生の視線を感じていたがそのままたまごを焼いていた。大きな鉄板台の横に置かれている出来上がったたまご焼きを見本にしながら焼くが方々へたまごの液が散らばりあっちこちでジュウとたまごの焼ける音がする。その様子を見ていたトドリ先生が突然後ろから「かして下さい。」といい調理器具をゆゆ子から奪った。さっきまで追い掛け逃げる関係だったのに急に助けられたみたいな事になって戸惑うゆゆ子。今なら逃げられる状況なのに足が動き出せずにいた。トドリ先生はたまごを焼いていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

先生、わたしワープしてます。 野牡丹鯨 @mousuguxmas

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ