今は昔。ー3ー
このちご、養うほどにすくすくとおおきになりまさる。三月ばかり立つほどに、よき人になりぬれば髪上げなどかくして髪上げさせ、裳、着す。
…これしかない。
これ以外にあるか?告白のチャンスが。無いだろう、風間裕太。今だ!
「竹取さん、あの…」
「何?」
「ここの意味、分かる?」
教科書の「いとうつくしうていたり。」という一文を見せる。
「ここ…何だけど。」
「うーんと…分かんないなあ…」
良かった。よし!伝えるぞお!
「え…えと…ここはね…『とてもかわいく座っている』って意味で。まるで、今のかぐやさんみたいな?」
「…え?」
ヤバい!かぐやさんって言っちゃった!しかも最後の疑問系何!?ああああ、顔赤くなってないかなあ…絶対熱いよ。
しばらくの沈黙。
「え…えとだから、その………竹取さんのことが…す、好きです。」
「ふぁえ?」
「付き合ってくれますか………?」
どうか、届いてほしい。「はい」と返事をしてほしい。好きだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます