4月23日 ゲーセン

 なぜかわからないが配偶者の帰宅が早かったため、外にメシを食いに出た。サイゼにした。安いし美味いし、マクドが近かったからだ。そうマクド。帰りにマクドに寄ってベーコンポテトパイを買う約束をしたのである。

 ベーコンポテトパイ。魅惑の揚げ物だ。中身の味は特になんでもいいのだが、四隅のカリカリした皮が異様な美味さを誇っている。マクドの揚げ物はポテト揚げました!という油の味がするのだが、ベーコンポテトパイはこのポテトに抱かれきった油を堪能するには持って来いなのである。というわけでサイゼ→マクドのハシゴディナーだ。たいへん豪華でウキウキした。

 ところがサイゼで満腹になった!アホ丸出しなので、ふつうにたくさん食べてしまった。サイゼのミネストローネめっちゃ美味くね? 我慢できずに食べてしまった。満々満足。だがベーコンポテトパイのことも諦めきれない。

 ちょっと腹ごなしをしようということで近場にあったゲーセンに寄った。

 夜のゲーセン。奇妙な魅力があった。まずメダルゲームコーナー、買い物袋を引っ提げた年齢不詳の女性が無表情で延々と競馬のゲームに賭けていた。よれたジャンパーを羽織った総白髪のご老人はメダルスロットの椅子に座り、ブツブツと何かを呟きながらボタンを押し続けていた。おかあさ〜〜〜ん!!と叫びながら音ゲーコーナーを歩くキッズがいた。その音ゲーには音ゲーを極めし若者が千手観音に見える手数の多さで画面を叩いていた。両手にクレーンゲーム商品のお菓子を抱える二人組が我々のそばを通っていった。

 そんな我々はカビゴンを見ていた。クレーンゲームの景品である。カビゴン、ほしい。私は配偶者とともにクレーンゲームに金を突っ込んだ。変な位置に落ちて怒る我々。両替しに走る我々。カビゴン!!と叫ぶ我々。夜のゲーセンにすっかり溶け込んでいた。競馬コーナーにいた女性が音もなく出入り口に向かう姿が見えた。

 カビゴンは取れた!私のカビゴン祭壇への仲間入りを果たすことになった。とてもかわいい。カビゴンを抱えてベーコンポテトパイを購入し、帰宅したところで今日はいい日だったとしみじみした。

 ベーコンポテトパイの四隅はやはりカリカリで、ポテトに抱かれた油の味がした。


 ポテト総攻め。

 また会いましょう。

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