11月20日 鬼太郎誕生とゲゲ郎

 鬼太郎誕生ゲゲゲの謎のネタバレしかない日記なのでご注意ください。ネタバレ回避スクロールを入れておきます、よしなに。




















 鬼太郎誕生ゲゲゲの謎を観てきた。先に私の前知識だけ書いておくが、ほぼない。何期の鬼太郎かわからないテレビシリーズを数話観た程度で、でも国民的キッズアニメのひとつ(だと思ってる)だから基本的な情報は知っているレベル。猫娘とか一反木綿とか砂かけ婆とかそういう周りにいる妖怪キャラはわかるし、目玉おやじが鬼太郎の親父の目っていうのも知っている。

 そんな中で観に行った。観に行った理由は簡単だ。目玉おやじのかつての姿、通称ゲゲ郎のビジュアルが魂に刺さった。これだけ。本当に……本当にこれだけ………。

 さてではにわかオブにわか、なんなら妖怪の名前もよく知らないモグリの草森によるざっとした冒頭紹介からしておく。

 まず現代から始まる。恐らく鬼太郎くんをずっと追っている記者の男が、鬼太郎くんの生まれや生い立ちを調べるために哭倉村跡地を訪れる。辺鄙な山奥にある廃村で、記者は鬼太郎くんが止めてくれるのに突っ込んでいく。妖怪的なものが現れてオワ〜〜!!になったところで舞台は昭和三十年代に遡る。

 血液銀行で銀行マン(血液銀行ってなんだよ……)をしている水木という青年が、成り上がるための野心マシマシで取引先の社長のお家へ行くことにする。それが現存している哭倉村である。

 水木は社長の親の葬式に出て、ヤバそうな村人達や村から逃げたいお嬢さんや糸目の石田彰などのキャラクターに出会い、そして出てくるのが我々の待ち望んだかつての目玉おやじなのだ!

 早速目玉おやじ、イコール水木命名のゲゲ郎の話をする。

 ビジュアルが〜〜〜!!!!最高最高最高〜〜〜!!!!!

 白髪(銀髪?)、長身、着流しに下駄!!!喋り始めるとぽやんとした抜けた雰囲気で……うッ……良すぎる………。愛妻家なところもかわいいね。牢にぶち込まれても余裕なところもおじさん好きだな。

 そんなゲゲ郎とバディを組む感じになる水木青年、こちらも好きな人は好きなビジュアルに性格。野心家で成り上がりに燃える黒髪短髪のお兄ちゃんです。なんと戦争帰りの派手な傷跡つき。助かりますね。

 こちら側の人間が考えたのかな?と勘繰ってしまうビジュアルですが、バディ物のカンというか、出会い→交流→信頼の過程が因習村ミステリフォーマットと妖怪によるホラー要素のドッキングカオスの中で育まれる絆という軸が自然に組まれており、大変に観やすいです。ゲゲ郎は大体ずっとマーベラス。戦闘はふつうに強いし、しれっと脱ぐ。温泉入ってる。心の準備をしていなかったため、おろおろした。酒のんだら泣く。愛妻家。これ以上かわいいところを見せないでくれ。人外ゆえの不気味なところだっておれはかわいいと思うタイプなんだよ。

 このゲゲ郎の目的を知らない時の水木青年、ゲゲ郎が立ち入り禁止の離れ小島に呑気な顔で向かっているのを発見し、オイオイオイオイ!!!と追い掛けてくれる。明らかにヤバい小島に踏み入ってゲゲ郎を探してくれる。野心家で非情に見える男だが、一定の矜持みたいなものがあるんですね。戦争帰り故に無駄な人死にや納得できない人権消費が許せない雰囲気があり、なんていうか、いい男だな……(頭の悪い感想)

 で、この小島が妖気(?)帯び過ぎており人間の水木はぶっ倒れてしまうんですが、ゲゲ郎が助けてくれる。何故助けたかについて情けをかけた的な弁をするんだけど、あ〜多分お返しだなと草森オタクは曲解。というのも水木は縛られて首を斬られかけたゲゲ郎を助けており、水木は単純にもう目の前で人が死ぬ場面は見たくないって理由で斬首をつい止めるんだけど、助け助けられの対比による情けなのでは?という……。

 こういう些細な部分を曲解して吸ってしまいますね、オタクの悪い癖ですね。

 バディ物といえば探偵助手なんだけど、ゲゲゲの謎はどっちかと言うとダブル探偵の趣がある。人間の生き様や業に詳しい水木と妖怪達の性質や営みに詳しいゲゲ郎……。はじめは人間キライだしツーンとしているゲゲ郎になんだコイツ利用してやろうという水木だった二人だけども、ゲゲ郎が糸目の石田彰にしてやられた後は逃げることも出来たのに水木が助けに来る!うおお!!これだよこれ!!バディってのはこうでなきゃなぁ〜〜〜!!!この辺りはもう膝をバシバシ打ちたくなる熱い展開!!!

 最後のバトルも面白い場面しかなく、ラスボスのデッカ……感やクソ爺の憎んでくれと言わんばかりのクソさや、ついに出て来たゲゲ郎の奥さんそして身籠られている鬼太郎くんにまたもや激かっこいいゲゲ郎の迫真バトルと、ゲゲゲの鬼太郎にわかでも暴れたくなるカチ盛りっぷり……………いや待てゲゲ郎髪の毛伸びるんですか?えっ?長髪にして良かったの?ゲゲ郎長髪属性でオッケーなの!?!?!?

 この辺りから記憶が途切れがちになりました。まさか推しの長髪が拝めると思わずリアル前のめりちょっと待ってよめちゃくちゃかわいいんだけど本当に?伸びてる?え〜〜〜〜〜ありがと〜〜〜〜〜!!!!!になりました。長髪。ありがとう。長髪の男性ぼく大好き。

 そんでこの最終決戦の場所、多分霊的な空間というかふつうの人間ならすぐに狂うぜみたいなところなんだけど、水木はふつうに人間だから吐血してぶっ倒れたりしており、助かりますね。でも水木青年やりますやれます不屈の男、気合いの一太刀は撮れ高があります。

 まあでも一太刀により色々大変なことにはなり、ゲゲ郎は水木青年に奥さんを任せて村から出るようにと頼み、自分は残って呪い?封印?なんかわからんが放置すると地上滅ぶでというやつを一人でなんとかしようとする……ゲゲ郎……おお………ゲゲ郎…………。逝かないで………あっでも目玉おやじになるから逝きはしないのか。良かった。自分、目玉でも全然いけます。

 最後はなんとか外へ辿り着いた水木のシーンでエンドロールへ。連れていた筈のゲゲ郎の奥さんは何故かおらず、水木は記憶を失っている……。なんてことだ……。話は現代に戻り、目玉おやじは鬼太郎と共に記者へと語り始める……。

 と思っていたらエンドロール横の絵とエンドロール後ですよ。

 この二つは水木とゲゲ郎とゲゲ郎奥さんのその後、そしてやっとのタイトル回収なんですが、まずエンドロール横の絵。こんなん泣くでしょ。記憶を失っている水木は怪異的なものに誘われてゲゲ郎と奥さんの住んでいる場所に辿り着く。見た目からしてあれからそんなに時間は経っていない。ゲゲ郎は村の呪いを引き受けるような形で全身が醜く爛れていて全身包帯、正直ふつうに怖い。加えて水木は記憶がないので、多分「水木〜!」という感じで追い掛けて来たゲゲ郎が余裕で怖くてソッコー逃げる。ここ。このすれ違いの感じ、上手すぎる。これを台詞なしパラパラ漫画的な絵だけでわからせてくる……最高でしかない。そして逃げたあとの水木は何か思うところがあったのか、ゲゲ郎夫妻の元へ再び足を運ぶ。そうすると夫妻は亡くなっており、水木は哀れに思ったのか奥さんを埋葬してやる。

 このあとにエンドロール後の映像が来るんだけど、墓場から赤ちゃん鬼太郎くんが……ついに誕生!!鬼太郎誕生!!ゲゲゲの謎!!!そして死んだゲゲ郎は左目だけ抜け落ちて我々のよく知る目玉おやじに……。水木は鬼太郎を化物の子を生かしておくわけには……と悩むが、ふっとゲゲ郎の姿(影で見えないけど輪郭はわかる)が浮かんで鬼太郎を殺さず抱き締めるという……。タイトル回収が完璧。水木、お前はいい男だな…………………。

 多分このエンドロール横+エンドロール後のあれこれは目玉おやじが本編のあれこれにプラスして記者に話した事柄だと思うんですが、それにしてもおまけが本番みたいになっておりたまげました。ついでに渡された特典を見てみると倒れますね。目線は完全にゲゲ郎です、ありがとう水木、ありがとう。お前さんを信頼して本当に良かった。そんな気持ち。

 このような感じで、鬼太郎にわかパーソンの草森くんですがめちゃくちゃ楽しめました。グロ要素が多いと聞いていたのですがリョナラー的にはそんなでもないです。因習村的にはホラー文脈よりミステリ文脈の因習村みがあるかな? 金田一耕助みたいな。私があんまりホラーに詳しくないせいもあるとは思いますが……。ちなみに血はたくさん出ます。人もたくさん死にます。無限いただきボールと幽霊族ご先祖さま渾身の元気髪玉など異能バトルとしてもかなり楽しめます。

 観て良かった〜〜!面白かった〜〜!!ありがとう鬼太郎誕生!!!アニメシリーズちゃんと観てきます!!!!!

 映画観た人はぜひ感想会話をしてください。


 それではゲゲ郎のファンアートを検索する作業に移ります。

 また会いましょう。

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