第34話 広報を探せ!②
翌日の火曜日、俺は教室でキョロキョロと周りを見ていた。
別に話す人が居なくて寂しいとかではなく、広報になってくれそうな人を探しているのだ。
「よっ!唯人、何してんだ?」
「うーん、こいつはなぁ‥‥」
「会って早々失礼だな!なんだよ!『こいつはなぁ』って!」
蓮が話しかけてくれた。だが、こいつは学年の女子から嫌われているので、広報になっても女子からの士気は上がらないだろう。
うん。こいつは金曜日まで誰も広報にならなかった時のための滑り止めにしよう。
「いや、なんでもない。それよりさ、お前部活やってない暇な奴知ってる?」
「まあー、部活やってない奴でもなにかと忙しいんじゃないか?バイトとか」
「そうだよなー」
◇
放課後。俺達は、昨日と同じように生徒会室に集まっていた。
「由奈は有望株見つけたかー?」
「やっぱり一年生から生徒会役員はキツいみたいですね。みんなすぐに断ってましたよ」
「それに、文化祭実行委員長もあるからなー、みんなやりたくはないか」
まあ一年生は無理かもな。経験値的にも厳しそうだし。
「天音はどうだったんだ?」
「私も無理だったよ。みんなさー、『私なんかが入ったら、すぐ会長に解雇されそう』とか言って、断っちゃうんだよね」
「待ってください。今のは聞き捨てならないですね」
会長がキレ気味に介入してきた。
そんな時、生徒会室の扉がガラリと開いた。
「あ、あのぅ‥‥」
見覚えのある、整った顔立ち。
そこには、一年生の柊莉実が立っていた。
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