第2話 幼馴染と登校
家を出た途端、春風が頬をかすめた。
そういや今日から新学期か、高校一年生の頃はまだ新生活に慣れてなくて高校生らしいことあんま出来なかったから今年はなんかしたいな。
とはいえ俺の友人は天音を含めて3人しか居ないので出来ることの範囲も少ないのだが。
「なにぼーっとしてんの。早く行かないと学校遅れるよ」
天音が俺の腕をぐいっと引っ張って自分の顔を近づけてくる。近い近い!
「そういえば今日からクラス替えだよね。唯人と同じクラスになれるといーな」
天音はこう言ってるが、小中で俺たちが別のクラスになったことは一度もないので心配は要らないだろう。
「よっ!お二人さん!今日もお熱いねぇー!」
天音と他愛のない話をしていると、背後から聴き慣れたやかましい声が聞こえてくる。
「朝っぱらからやかましいな蓮」
「桜井くんおはよ」
こいつの名前は桜井蓮(さくらいれん)。
俺達と同じ高校二年生で、俺の少ない友人のうちの一人だ。
「唯人は朝から元気ねぇなー今日から新学期だぜ!テンション上げていこー!」
蓮は陽キャみたいな感じの雰囲気だが、過去に女子に対するセクハラ行為をし過ぎて天音を除く学年全員の女子から嫌われている。
まあノリがいいから男子の中では圧倒的な人気者なんだが。
「お熱いところを邪魔するみたいで悪いが、お二人さん。そろそろ走らないと遅れるぞ。今日は新クラスも見れるから急ごうぜ!」
蓮がそう言うので、俺たちは走って学校に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます