インフレワールド~次から次へとライバルキャラが出て来る世界で、俺は成長無双する~

まんじ

第1話 熊<俺<キノコ

「ここが異世界か」


俺の名は田湖朔太郎たごさくたろう

日本人、18歳。

世界最強を目指す男だ。


今俺がいる場所は森の中。

神様が言うには、此処はインフレワールドという異世界らしい。


神様?

異世界?

何を言ってるんだこの馬鹿は?


そう思っただろうが、だがこれはガチで事実である。

まずは何故こうなったか説明しよう。


――俺は山奥で熊と戦い……そして死んだ。


あ、負けた訳じゃないぞ。

勝負は俺の勝ちだ。


じゃあなんで死んだのか?


そこには深い理由がある。

熊を倒した俺は、素早くその遺体を解体し――そして食べた。


自然の営みと言う奴だ。

殺してそのままなんてありえないからな。


まあ、で、だ。


熊を食べる事自体は問題なかったのだが、適当に生えていたキノコを一緒に鍋に入れたのが不味かった。

どうやらそれが毒キノコだったらしく、俺はあえなく昇天してしまう。


熊に勝ってキノコに負ける。

まったく、笑い話にもならないぜ。


現実で例えるなら、拳銃持ってるやくざを正面からボコったのに、急に飛び出して来た陰キャオタクに刺されて死ぬ様なもんだ


まあそんな事はどうでもいいか。

そこで俺は死んだ訳だが……俺の強さへの渇望を買ってくれた神様が、チャンスを与えてくれたのだ。


今いる世界とは別の世界。

インフレワールドで、最強を目指すチャンスを。


もちろん俺は一も二も無く飛びついたね。

毒キノコで死亡とか笑えないエンディングをキャンセルしてくれて、しかもさらに強くなる機会を与えてくれたんだからな。


「さあ!最強を目指すぞ!」


俺はこの異世界で、最強を目指す!

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