死人列車~黄泉の国編~

Teru

第1話 気づくとそこは

黄泉とは、大和言葉で「ヨミ」に漢語の「黄泉」の字を充てたものである。漢語で「黄泉」は「地下の泉」を意味し、それが転じて地下の死者の世界の意味となった。


これは、俺という少年が列車事故でそのまま、黄泉の国に行ってしまったパラレルワールドの話。


俺は気づくと列車に揺られていた。


それと同時に頭の血管がドクドクするのと手の震えがあった。


車窓から外を観ると、のどかな田舎の風景が広がっていた。


一緒に乗っていた姉を見ると眠っている。


程なくして、列車は駅に着く。


その駅から、看護師らしき人物がカートに荷物を積み列車に乗り込む。


看護師らしき人物は、ひとりひとり丁寧に手当てをして行く。


俺の番になり、訪ねる。


俺「あ、あの…何かあったんですか?」


看護師らしき人物「私は看護師です。この列車は、事故に遭いました。今、ひとりひとり手当てをしている所です。」


俺「事故?」


だからか、頭の血管のドクドクと手の震えは、ケガでなっているのか


俺は手当てを受けながら再び訪ねる。


俺「この列車は普通に動いてるじゃないですか。本当に事故は起きたのですか?」


看護師「この列車は死者を運ぶ列車なのです」


俺「死者を運ぶ列車?俺たちは死んだんですか?」


看護師「そう。もう亡くなっています。死人列車とも言います。このまま、死者を黄泉の国に運ぶ事になります。」


黄泉の国、聞いたことがある。日本最古の歴史書「古事記」に書かれている、死者が行くとされる場所。


俺(黄泉の国…どんな所なんだろう…)


そう言うと看護師は俺の手当てを終え、姉の手当てを始めた。


手当てをされて、姉は目を覚ました。


姉「看護師…さん…」


看師「今、手当てをしてますからね。」


姉「手当て…」


俺(ねーちゃんも死んだのか…)


つづく。


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