ディメンションゲーム

希望@百合専門

プロローグ

 に与えられたミッションにより、俺はチームの代表として、指定された会場の山の麓へ降り立つ。




 きっと、からして見れば…一つ前のミッション攻略の仕方が気に食わなかったのだろう。




 俺たちがいる空間は、ただの仮想空間バーチャル——しかし、その影響が、決して現実に直結しないわけではない。




 荒ぶる心の音を胸に右手を翳す事で少しでも抑えて、俺は、ステータスウィンドウを操作する。



 ーーーーーーーーーーー


 <No.150 志津智之しづともゆき>


 <チーム:エタニティ リーダー>


 <職業:光忍こうにん>


 HP 7/7

 MP 400/400

 POW 100

 DEX 100

 SPD 1500(+500)

 LUK 1500(+500)


 <装備>

 極意のクナイ→SPDとLUKを500あげる



  ーーーーーーーーーーー




 ステータスに異常は見当たらない。仮にも、ここまで共にミッションを達成してきた事もあって、俺と同様——他の代表者も正々堂々の勝負を望んでいるらしい。


 

 集まった代表達の中に、前回のミッションを指揮した俺の事を恨んでいる者もいるだろう。


 そのせいで、今回のミッションに巻き込まれたんだ。


 いいんだ。


 彼らの中に、俺を狙おうとする奴もいるだろう


 ああ、背負う覚悟はできている。


 俺は、俺の選んだ道を後悔しない。


 真っ向から受け止めてやるっ!!

 




『それでは、これより ミッションNo.8 ハーフデスゲーム を開始致します。そもそも、あなた方が悪いんですからね…?我々が求めていた解答と違った攻略をしたのです——つまり、これは天罰ペナルティです』




 脳内に送られてくる無機質な音声に腹の底からふざけるなと殴りたくなる衝動を抑える。第一、前回のミッションはきちんとこなしたはずだ。俺は、俺達プレイヤーはお前らの操り人形やモルモットなんかじゃないっ!!




 それでも、今はこの怒りを鎮めて、チームの代表達と向かい直る。——ミッションの内容通りならば、今回のミッションで生き残れる数は、たったの15人…。




 彼らの表情を見ると、俺と同様…殆どの代表の手は震えており…緊張している状態だ。一部の代表達から強く睨まれるが…そんな彼らも震えてこそいないものの、表情は強張っている。




 俺たちのいる山の麓から一本線が引かれた先には、彼らのチームメンバーであろう大勢の人達が瞳に大量の涙を浮かべながら、祈るように両手を上に出している。




 今、大きな声を出せば…それだけで、注目の的になる。それがどれだけ危機リスクを伴う行為かを理解しているのだ。

 



 そんな俺達を傍目に、前回のミッションをクリアしたチームも存在しており、そいつらは、姿




 他にも、ジャンケン等で決めたチームもあるのか…心のこもってない応援をしだす輩もいるが、極小数であるし、そいつらは俺の視界から外す。




 俺自身も、チームメンバーの方へと振り返ると…彼女達も他の人達と同様——目元に涙を浮かべていた。




 いいんだ。彼女達が欠けるより、よっぽどマシだ。






『これより、No8のハーフデスゲームを開始致します。それでは、参加する各プレイヤーは自由に行動を取ってください』





 そのアナウンスと共に、山の麓は、巨大な紫色のバリケードで覆われる。——今回のミッションは、ただのデスゲームではなく、サバイバルも兼ねているらしい。




 同じ代表達プレイヤーは、既に山の中へと全員が散らばっている。




 開始の合図と共に、なぜ——俺へ攻撃をしなかったのかと疑問に思うかもしれないが…これがセオリーである。攻撃に意識を割けば、防御が手薄になる。




 そのため、ではなく、を考えれば、まずは山の中へ、身を隠す。




 更に付け加えれば、戦闘が起きるのは、俺の推測が正しければ、だろう。彼らも伊達にここまでのミッションを達成していない。




 俺は、そのセオリーを逆手にとり、敢えて、不安そうに各自の代表の背中を見送るギャラリーの目がある山の麓で陣をとる事にした。



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 プロローグです。プロットとある程度の話数は作り終えてますので、もし、需要がございましたら順次投稿していく予定です♪応援コメントなどで反応いただけると助かります!!次話からは、これまでに至る過程を描写していきます。














 

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