第16話地方戦

甲羅高校の入学者は、ほとんどが野球部に入部する事だった。


面接官を頼まれた。


鷲尾は、ガッカリした。


ほとんどが野球部経験者でしかも他の高校のスポーツ推薦を断って甲羅高校に入部するために。


しかし、鷲尾はある男子生徒に目をつけた。


「母と妹とを楽にしたくて。」


その瞬間、鷲尾は涙を流した。


どんだけ苦労しただろう。


華奢が体つきで苺を思い出す彼は田中球という名前だった。


同じ境遇のような生徒を合格させた。


彼らのハングリー精神は凄かった。


寮に住まわせて食べたいだけ食べさせた。


ギリギリで夏の予選会に間に合った。


田中を中心に、総力戦だった。


相手は強豪校。


田中をピッチャーにした。


ストレートとチェンジアップをとことん教え込んだ。


円陣を組んだ。


「ハングリー!!」と叫んだ。



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