異世界に転生した僕は強い仲間と世界征服を目論みます!!
いちごあめ
プロローグ
「お前は何をしているんだ!」
散らかった部屋の中に、男の怒鳴り声と共にぱしんという音が響く。
「ごめんなさい...。」
叩かれた少年は叩かれた頬を手で押え、下を向いている。
気がすんだのか怒鳴るのをやめ、少年を置いて男は部屋を出ていく。
男が出ていったのを見ると、少年は安堵したようにため息を吐く。
「部屋片付けなくちゃな。」
本やガラス片などが床に散らばっている部屋を少年は片付け出した。
しばらくして部屋の片付けが終わると、そっと部屋の扉を開け、誰にも見つからないように隠れながら歩き出す。
一つの部屋で止まると、扉を開けて中に入っていく。
「おかえり。サフィニア。」
中にいたのは、白い長髪に褐色の肌、紫色の目をした角の生えた男だった。
男の首には鎖がついた首輪がつけられている。
「ただいま。アメジスさん!」
少年が男に飛びつく。
男が少年を受け止めると、
「サフィニアまた叩かれたのか...?」
「うん..。でも、もう痛くないよ。」
「私がどうにかできたら良かったんだが....。」
「そう言ってくれるだけで嬉しいよ。」
そういうと少年を抱いている腕の力が強くなる。
「そうだ!アメジスさん。今日は父さんたち夜から明後日まで出かけるんだって!だから邪魔されずに、二人でいられるよ!」
少年の言葉に男はフッと笑う。
「そうだな。」
そして少年と男は顔を近づけて、キスをした。
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