Who is she

仁瓶 龍雅

第1話

「ねえ、Femme fataleって知ってる?」


《あー、運命の女?》


「どんな女だと思う?」


《その女も運命の男だと思う相手以外には、運命を狂わせる女なんじゃないかな。

 見る人のレンズを通してのその人でしょ?

万華鏡みたいなもん、同じものでも見方によって違って見えるだけ。

あたしは、圧倒的な魅力の前では善悪チックなジャッジをすること自体がナンセンスだと思う》


「語るねー。

まあそうだよね、そもそもその女は自分のことfemme fataleだと思って生きてないと思うしね。」


《そうだねー。

まあ、お互いが運命を感じてないと運命の人って言わないし、片方だけが運命を感じたらバランス崩してそりゃ狂うよね。》


「そうだね磁石みたいだね。本物じゃないとくっつかない。」


「あなたは出逢ってみたいと思う?」

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